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品薄で話題の商品を、定価より高く仕入れたことがある方に向けて書いています。
型番の決まった定番品だけを扱っている方には、この記事の「話題が冷める」という前提が当てはまりません。
発売日に3,000円で出して、翌月には動かなくなりました
品薄だと聞いて、仕入れました。定価より高かったけれど、相場はもっと上でした。1,200円で押さえて、3,000円で出品。 これで1,050円が残る、そう思っていました。
最初の1週間は、思ったとおりでした。何個かは、出した値段で売れていきます。「やっぱり話題の商品は違う」 と、少し得意な気持ちでした。
ところが、次の入荷が市場に回りはじめると、空気が変わります。最安値が下がる。下げても、順番が回ってこない。気づけば、発売日の熱はどこかへ消えていました。
いま、在庫がまだ1点残っています。3,000円のまま置いてあります。動きません。値下げの画面を開いては、閉じる。 それを毎週くり返しています。
「もう少し待てば、また品薄になるかもしれない」。そう思うたびに、手が止まります。
「話題の商品は儲かる」
せどりを始めると、必ず一度は言われます。
「品薄で話題になっている商品を押さえろ。定価で買って高値で売れば、差額がまるごと利益だ」
間違ってはいません。現に、最初の1週間は儲かりました。 話題の商品には需要が集中していて、供給が追いつかないあいだは、高くても売れます。
でも、この言葉には期限が抜けています。「儲かる」に、いつまでという時間が入っていません。
トレンド商品に、「値上がりを待つ」はありません
先に、この記事のいちばん大事なところを書きます。
普通の在庫には、「売れるまで待つ」という選択肢があります。今日動かなくても、来月動くかもしれない。相場が戻るかもしれない。待っているあいだ、売れる確率はそんなに変わりません。
トレンド商品は、逆です。待つほど、売れる確率が下がっていきます。 話題が冷め、次の入荷が積み上がり、買いたかった人はもう買い終わっている。時間は味方ではなく、敵です。
だから、判断に使う数字が変わります。「いくらで売れるか」ではなく、「あと1ヶ月で、何割の確率で売れるか」です。
待つ月数と確率で、今日の売値が決まります
ここで、損切りの記事で出した式をそのまま使います。「あと何ヶ月で、何割の確率で3,000円で売れるか」を決めると、今日いくらで売れば同じ結果になるかが出ます。
今日の売値 ={(2,250円 − 保管料×N) × 売れる確率 ÷ (1 + 0.875×N) + 288円}÷ 0.846
損切りの記事では、この確率を高めに置いて計算しました。トレンド商品では、そこを低く置きます。 それだけで、答えがまるで変わります。

読み方はこうです。いちばん上の行、確率100%(待てば必ず売れる)が、普通の在庫の数字です。1ヶ月なら1,733円、3ヶ月でも1,034円。
そこから下は、確率を下げた行です。確率が40%まで落ちると、1ヶ月待つのと同じなのは897円。仕入れ値1,200円を、もう大きく下回っています。
トレンド商品は、この表の下のほうにいます。そして、置いておくほど、さらに下の行へ落ちていきます。
トレンドは、二重に値下がりします
なぜ「二重」なのか。普通の在庫と並べると、はっきりします。

普通の在庫なら、2ヶ月動かなくても「まだ5割くらいで売れる」と読めます。そのときの今日の売値は806円。
トレンド商品は違います。2ヶ月たてば話題は冷めていて、次の1ヶ月で3,000円で売れる確率は、もう2割あるかどうか。そのときの今日の売値は527円です。同じ2ヶ月でも、280円ぶん低い。
理由は式の形にあります。時間(N)が増えると、分母の「1+0.875×N」が大きくなる。これは普通の在庫でも同じです。トレンドはそれに加えて、分子の「売れる確率」まで下がる。分子と分母が同時に悪くなるから、二重に落ちます。

1ヶ月目、まだ6割の確率があるうちなら1,176円。2ヶ月目、確率が3割に冷めると620円。3ヶ月目、1割まで冷えると444円。同じ商品が、待っただけで仕入れ値の3分の1になっていきます。
だから、回転で買います
ここまでの数字が言っているのは、ひとつです。トレンド商品は、売れる窓の内側でしか、仕入れ値を守れません。
その窓の広さを、数字で出せます。

1ヶ月で売れる確率が約6割(61.7%)を下回ると、今日その場で1,200円に投げ売りするほうが、待つより得になります。持っている意味が、そこで消えます。
だから、仕入れる前に見るのは「相場との差額」ではありません。「これは、1ヶ月で6割売り切れる勢いがあるか」です。発売直後で、まだ品薄で、次の入荷まで間があるなら、窓は開いています。話題が回りはじめて数週間たった商品は、もう窓が閉じかけています。

差額が大きいから買う、ではありません。窓が開いているうちに、窓のぶんだけ買う。 これが「回転で買う」です。
半額で捨てるのは、やっぱり怖い
とはいえ、実際に手を動かすと、指が止まります。私も止まりました。
1,200円で仕入れたものを、527円で売る。325円の赤字を、自分の手で確定させることになります。しかも、あんなに話題だった商品です。「もう少し待てば」という声が、消えません。
置いておけば、まだ「そのうち高く売れる在庫」でいられます。捨てた瞬間に、「乗り遅れて高値づかみした1点」に変わる。 それを認めるのが、いちばん重い。
けれど、机の上の数字は動きません。待って売れる確率が2割なら、その在庫の今日の値段は527円です。3,000円のタグは、値段ではなく、気持ちの置き場所になっています。惜しいのは在庫ではなく、最初の判断が正しかったという記録のほうでした。
一度売ってしまうと、意外なほど何も起きません。残るのは、少し軽くなった在庫表と、口座に戻った527円だけです。
冷めた在庫は、いくらで捨てるか
窓が閉じたあとの値段も、同じ式で出ます。

2ヶ月動かず、次の1ヶ月の確率が3割なら620円。2割なら527円。1割なら434円。確率を正直に見積もるほど、捨て値は下がります。
ここで大事なのは、この527円は「損」ではないということです。1,200円はもう払い終わっていて、戻りません。いま決めているのは「この先どうするか」だけ。527円で現金に戻して次を回すほうが、3,000円のタグを見つめ続けるより、手元のお金は増えます。
これが「回転で捨てる」です。窓の内側で買い、窓が閉じたら、迷わず回転に戻す。
たしかに、また高騰するかもしれません
ここで、あなたはこう思われたはずです。
「トレンド商品は、忘れたころにまた品薄になって、高く売れることがある。捨てたら、その芽を自分でつぶすことになる。」
たしかに、そういう商品はあります。ただし、それは”廃盤・プレミア”の話で、”トレンド”の話ではありません。
戻ってくるのは、供給が絞られた商品です。生産が終わり、もう新しく作られないから、あとから欲しい人が増えて値が上がる。これは待てば効きます(この型は別の記事で書きます)。
トレンド商品は逆で、話題という需要のほうが引いていきます。 供給は、次の入荷でむしろ増える。需要が減って供給が増えるのだから、戻る力はありません。 「また上がるかも」の多くは、廃盤の記憶をトレンドに当てはめた期待です。どちらの型かを、仕入れる前に見分けるほうが先です。
(在庫を寝かせて成立するのは、保管料で見た賞味期限が長い商品だけです。トレンド品は、そこも短い側にいます。)
想像してみてください
来月のあなたの在庫表です。
トレンドで仕入れた商品が、発売から3週間以内にすべて現金に戻っています。 窓が開いているうちに売り切ったものは、狙いどおり1点1,050円を残しました。窓の内側で売れ残った1点は、冷める前に700円台で回転に戻しました。
在庫表に、1ヶ月より古いトレンド品が1点もありません。 だから、値下げの画面を開いては閉じる、あの時間もありません。空いた頭で、次に窓の開いている商品を探しています。
いま、その逆をやっています。発売から2ヶ月たった1点を、毎週開いては、閉じているほうです。3,000円のタグを守りながら、次を探す手が止まっています。
この記事のまとめ

- トレンド商品には「売れるまで待つ」がない。待つ=話題が冷める=売れる確率が下がる
- 今日の売値は確率で決まる。確率40%なら1ヶ月待つのと同じは897円(仕入れ値を下回る)
- トレンドは二重に落ちる。時間で分母が増え、話題が冷めて分子(確率)も下がるから
- 仕入れ値1,200円を守れる窓は、1ヶ月で売れる確率6割(61.7%)まで。ここで買うのが「回転で買う」
- 窓を過ぎた在庫は、確率20%で527円=仕入れの44%。迷わず回転に戻すのが「回転で捨てる」
- 「また高騰する」のは廃盤・プレミアの話。トレンドは需要が引くので戻らない
いちばん古いトレンド在庫の、窓が閉じていないか確認してください
トレンド商品は、相場が1日で動きます。 昨日つけた値段は、次の入荷が回った今日にはもう高い。窓の内側にいる商品ほど、この動きが速い。
かといって、話題の商品の相場を1日に何度も見て、そのたびに手で付け替えるのは、兼業の夜には入りません。そこで止まって、窓が閉じます。
マカド!は、価格改定を自動で回します。窓の内側では最安値に追随して売り切り、窓が閉じたあとは下げ止めずに回転へ戻す——「回転で買って、回転で捨てる」の後半を、寝ているあいだに回してくれます。 当サイトの基準では、月4,980円の回収に必要なのは月5個。最大2ヶ月は無料なので、いま抱えているトレンド在庫を、その間に落とし切るという使い方ができます。
今日やることは1つです。いちばん古いトレンド在庫を開いて、「次の1ヶ月で、何割の確率で売れるか」を先に決めてください。 6割を切っているなら、値段は上の表から取れます。
同じ在庫でも、判断の軸が回転そのものなら回転日数の記事を、カートを落として売り逃していないかはカート獲得の記事を、同じ1,050円・3,150円の基準で計算しています。
この記事の計算方法:今日Pで売ったときの手取り = P −(P × 販売手数料15.4%)− FBA配送代行288円。等価価格は「今日売って手取りをNヶ月運用した結果」と「Nヶ月後に3,000円で売った手取りから保管料を引いた額 × 売れる確率」が一致する価格として求めています(式は本文に記載)。手残り1,050円・仕入れ1,200円・売値3,000円・30日回転・機会費用率0.875・販売手数料15.4%(テレビゲーム&ゲーム用アクセサリ/メディア)・FBA配送代行288円は当サイト共通の基準値で、保管料41円/月は靴箱サイズ(7,200cm³)・1〜9月の係数5.676円で算出した仮定です。「売れる確率」は読者が置く仮定であり、当サイトが推定した値ではありません。トレンド商品で確率が時間とともに下がるという想定も、商品によって変わります。販売手数料の率はカテゴリーで変わり、保管料の係数は10月〜12月に上がります(Amazon公式の料金ページ・2026年9月時点)。税務上の取り扱いは税理士または税務署にご確認ください。 料金は変更されることがあります。最新の情報は公式ページでご確認ください。
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