通帳に30万円が入りました。これで仕入れができます。
エクセルを開いて、仕入れる商品のリストを作り始めます。1個1,200円の文房具。30万円あるので、250個。行番号が250まであるシートに、上から商品名を埋めていきます。
48個目で、手が止まりました。
ここまでで2時間半。残りは202個です。このペースだと、リストを埋めるだけで10時間以上かかります。 そのあとに、仕入れて、検品して、出品して、梱包して、発送する作業が残っています。
「これ、いつ終わるんだ」
この「いつ終わるんだ」を、電卓で数字にしたのがこの記事です。資金30万円は月250個・262,500円になりますが、それは週に19.4時間使える人の話でした。 あなたが週10時間しか取れないなら、30万円のうち145,200円は、来月も再来月も使われません。
この記事では、週に取れる時間から「資金を使い切れる単価」を逆算する式を出します。資金を増やす前でも、あなたの30万円がいくらまで働けるかが分かります。
資金30万円は、月250個・262,500円です
まず素直に計算します。当サイト共通の基準値で、仕入1,200円・売値3,000円・手残り1,050円。回転は30日です。
30万円 ÷ 1,200円 = 250個。250個 × 1,050円 = 月262,500円。
単価を変えると、こうなります。

資金5万円の記事で出した結論と同じです。単価を上げるほど、手残りも時給も上がります。 仕入400円に寄せると750個も回せますが、手残りは168,000円しかなく、時給は672円になります。
違うのは、右から2列目です。
仕入400円で750個を回すには、週58.1時間かかります。 これは会社員が空けられる時間ではありません。仕事のほかに、もう1つフルタイムの仕事をするのと同じです。
1,200円の250個でも、週19.4時間。平日の夜を毎日2時間、それに土曜を4時間足して、ようやく届く量です。
「30万円ある」は、まだ何も決めていない
ここで、あなたの計算がつまずきます。
資金の額を先に決めて、そこから個数を出そうとするからです。30万円 ÷ 1,200円 = 250個。この計算は正しい。ただし250個を処理できることが前提です。
処理できなければ、その250個は仕入れられません。仕入れられない資金は、口座に残ります。口座に残っている資金は、0円と同じ働きしかしません。
そこで、順番を逆にします。
先に決めるのは、あなたが週に何時間取れるかです。
1個20分なので、1時間で3個。月に使える時間を3倍すれば、処理できる個数が出ます。その個数で資金を割れば、使い切れる単価の下限が出ます。

式にすると、こうなります。
使い切れる最低単価 = 資金 ÷(月に使える時間 × 3)
週10時間なら、月43時間。43 × 3 = 129個。30万円 ÷ 129個 = 2,326円。
つまり、週10時間の人が30万円を使い切るには、2,326円以上の棚を見ないといけません。
週10時間で、1,200円の棚を見続けるとどうなるか
数字を並べます。

週19.4時間が分かれ目でした。
ここより時間が少ない人は、時間が先に尽きます。 資金が余ります。ここより多い人は、資金が先に尽きます。時間が余ります。
あなたが週10時間なら、前者です。129個しか処理できないので、1,200円の棚だと使う資金は154,800円。残りの145,200円は、口座に置かれたままになります。
30万円の48.4%です。
この145,200円は、来月も動きません。時間が増えないかぎり、再来月も動きません。「30万円で始めた」つもりが、実際には「15万円で始めていた」ということになります。
同じ129個で、手残りが2.05倍変わります
では、同じ129個を2,300円の棚で買うとどうなるか。
作業量は変わりません。129個です。時間も43時間のままです。変えるのは、カゴに入れる商品の値札だけ。

135,450円が、277,286円になりました。2.05倍です。
使う資金は296,700円。30万円がほぼ全部働いています。寝ているのは3,300円だけです。
同じ時間、同じ個数、同じ回転日数。変わったのは、どの棚を見たかだけでした。
「でも、2,300円は怖い」
ここで、あなたの手が止まるはずです。
1,200円の商品なら、外しても1,200円です。売れなくても「まあ、ドンマイ」で済みます。2,300円だと、1個外すと2,300円が寝ます。倍近い金額が、返ってこないかもしれない場所に置かれる。
そう思うと、あなたの指が止まります。
しかも、1,200円の棚のほうが商品数は多い。探しやすい。2,300円の棚は品数が減るので、条件に合う商品を見つけるまでの時間が延びます。「探す時間が延びるなら、結局同じでは」と考えてしまいます。
ここは正直に書きます。探す時間は、たしかに延びます。 そして1回の外れは大きくなります。
ただ、比べる相手を間違えないでください。
比べるのは「1,200円の外れ」と「2,300円の外れ」ではありません。比べるのは、月135,450円と月277,286円です。 その差は141,836円。2,300円の商品なら、61個外しても追いつきません。
129個のうち61個を外すことは、まずありません。
想像してみてください
土曜の朝、9時。
コーヒーを持ってパソコンの前に座ります。今月ぶんのリサーチは129個。1個10分なので、21.5時間。平日の夜に少しずつ進めてきたので、今日で終わります。
昼前に、最後の1個が決まりました。リストが埋まっています。 129行、全部に商品名が入っています。空白の行はありません。
口座を見ると、残高は3,300円。30万円が全部、商品になっています。 「使い切った」という感覚があります。
そして月末、手残りは277,286円。作業時間は43時間でした。
いま、その逆をやっています。250行のシートを開いて、48行目で止まっている。口座には145,200円が残っていて、それは今月も使われない。手残りは135,450円で、作業時間はやはり43時間です。
同じ43時間です。
資金が増えるほど、必要な時間が増えます
もう1つ、資金の額ごとの数字を置いておきます。

資金が制約に変わる週の時間 = 資金 ÷(仕入単価 × 12.9)
資金5万円なら週3.2時間で使い切れます。10万円で週6.4時間。30万円で週19.4時間。50万円になると週32.2時間で、これは当サイトの資金別の記事で「制約が時間に入れ替わる点」として出した数字と一致します。
100万円だと週64.6時間。1人では使い切れません。
資金だけ6倍にしても、あなたの時間が6倍にならなければ、手残りは6倍になりません。 これが、資金を増やしたのに手残りが増えなかった理由です。
打ち消しておくこと
3つ、正直に書きます。
1つ目。週5時間の人の下限は4,687円ですが、これは文房具では現実的ではありません。 仕入4,687円・売値11,718円の文房具は、そもそも点数が少なすぎます。この場合は文房具以外のカテゴリを見るか、回転日数を上げるほうが先です。
2つ目。高単価ほど、1回の外れが大きくなります。 上で「61個外しても追いつく」と書きましたが、これは資金が回っていることが前提です。売れ残りが増えて回転が30日から60日に落ちれば、個数が半分になります。回転日数の考え方は別の記事にまとめました。
3つ目。この計算はFBA在庫保管手数料と返品費用を含んでいません。 単価が上がると1点あたりの体積も増えやすいので、保管料は上がる方向に動きます。
それでも、週10時間で30万円を使い切りたいなら、単価を上げる以外の道はありません。個数は時間で頭打ちになるからです。
ツールの元が取れる個数も、単価で変わります
最後に、道具の話をします。
当サイトは「有料ツールの元が取れ始める規模は月28個」としています。週10時間・月129個は、その4.6倍です。道具を入れるかどうかを迷う段階は、すでに過ぎています。
そして単価を上げると、道具の回収も早くなります。

ツールの回収個数 = 月額 ÷ 1個の手残り
手残り1,050円の棚では、マカド!の月額4,980円を取り返すのに月5個必要でした。手残り2,150円の棚に上げると、月3個で足ります。129個のうちの3個です。
129点の価格改定を毎日やるのは、現実的ではありません。当サイトの無料ツールとの境目の記事では、毎日価格改定するなら出品19点が分岐点でした。129点はその6.8倍です。
しかも単価2,300円帯では、値付けを1回外したときの金額が大きくなります。安い棚より、高い棚のほうが自動化の効きが強いということです。

順番を間違えないでください。決めるのは資金ではなく、あなたが週に取れる時間からです。
2,326円の棚を見つけよう
来週の仕入れから、探す場所を変えるだけです。
- 資金30万円は月250個・262,500円。ただし週19.4時間が必要です
- 週10時間なら処理できるのは129個。1,200円の棚だと145,200円(48.4%)が寝ます
- 同じ129個・同じ43時間でも、2,300円の棚なら277,286円=2.05倍
- 使い切れる最低単価 = 資金 ÷(月に使える時間 × 3)
- 資金が制約に変わるのは週19.4時間から(50万円なら週32.2時間)
- ツールの回収個数 = 月額 ÷ 手残り。1,050円なら5個、2,150円なら3個
マカド!の無料アプリ「マカド!リサーチ」は、契約不要・登録不要です。バーコードを読むと販売手数料とFBA配送代行を引いた想定手取りが出るので、2,300円の棚で手残りが本当に2,000円台に乗るかを、店頭でその場で確認できます。乗らない棚なら、その場で戻せます。
本体のほうは登録月と翌月が0円なので、129点の価格改定を自動で回しながら、30万円が実際に使い切れるかどうかを2ヶ月ぶん試せます。
マカド!を見つけよう(無料アプリあり/本体は登録月と翌月0円)
資金5万円から始める方は資金5万円の記事へ。時間のほうを先に増やしたい方は副業せどりの時間の記事にまとめてあります。
この記事の計算方法:使い切れる最低単価 = 資金 ÷(月に使える時間 × 3)。資金が制約に変わる週の時間 = 資金 ÷(仕入単価 × 12.9)。月に回せる個数 = (資金 ÷ 仕入単価) × (30日 ÷ 回転日数)。手残り = 売値 − 仕入値 − 販売手数料 − FBA配送代行手数料。販売手数料率(文房具・オフィス用品は750円以下5%・超15.4%、最低販売手数料30円)とFBA配送代行手数料はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。販売手数料は税抜表示、FBA配送代行手数料は税込です。「売値は仕入値の2.5倍」「回転30日」「1個20分」「1ヶ月=4.3週」「FBA区分は仕入1,500円以下が小型288円、1,800円以上が標準30cm以下415円」は当サイトが置いた仮定で、実際の区分は梱包済みの3辺合計と重量で決まります。手残り1,050円・時給3,150円・1個20分・月28個という分岐点は当サイト共通の基準値です。同じ倍率で売れる商品が単価帯を問わず見つかるとは限りません。 高単価ほど1回の外れが大きくなること、回転日数が延びやすくなることは、この計算に含めていません。FBA在庫保管手数料・返品費用も含めていません。料金は変更されることがあります。最新の情報は公式ページとFBA料金シミュレーターでご確認ください。
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