※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。
月の返品が1件でもある方だけ、読んでください。
返品がゼロの方には、この記事の計算は1円も関係ありません。
火曜の朝に、通知が1件
出勤前です。スマホに「返品が開始されました」と出ました。
またか、と思いました。
先月も1件ありました。その前の月も1件でした。月に100個売って1件か2件。率にすれば1〜2%です。
だから毎回、同じように閉じます。「誤差の範囲」と口の中で言って、電車に乗ります。
月末になると、通帳を開きます。画面の利益は10万円を超えています。通帳は、そこまで増えていません。
差がどこに消えたのか、ずっと分かりませんでした。返品の通知を、一度も開いて計算したことがなかったからです。
「2%」は、何に対する2%ですか
ここが分かれ目です。
返品率は、売れた個数に対する率で出てきます。100個売れて2件返品なら2%。この数字だけを見ていると、残り98個は無事だから誤差だ、という読み方になります。
利益に対する率は、まったく別の数字です。
返品1件で消えるのは、その1個の利益だけではありません。返ってこない手数料があり、状態によっては仕入れ値そのものが消えます。
そして、その合計は1個の利益より大きいことがあります。
まず、1件あたりの内訳を1円ずつ並べます。
返品1件で動くお金を、1円ずつ並べます
当サイトの基準で計算します。売値3,000円・仕入れ1,200円の文房具です。手数料は下の前提で置いています(率はカテゴリーで変わるので、ご自身の商品はAmazon公式の料金ページでご確認ください)。

戻ってくるのは販売手数料です。ただし全額ではありません。
Amazonは返金の際、いったん受け取った販売手数料を返した上で、500円または販売手数料の10%のどちらか小さいほうを返金処理手数料として差し引きます(公式の料金ページの記載。2026年9月時点)。3,000円の商品なら46円です。
戻ってこないのは、配送代行手数料288円です。 商品はすでに倉庫から出て、購入者のところへ届いています。その配送は実際に行われているので、返金されません。
ここまでで334円。まだ商品の話をしていません。
分かれ道は、ひとつだけです
返品された商品は、Amazonの倉庫に戻ります。そこで判定が入ります。
再販可能(そのまま次の人に売れる)か、販売不可(出品できない状態)か。
この判定で、1件の重さが8倍変わります。

再販できた場合、仕入れ1,200円は生きています。次に売れれば利益も戻ります。純粋に消えるのは334円です。
ただし、もう一度売るための作業は最初からやり直しです。当サイトの基準では1個20分。その20分は、どこからも返ってきません。
販売不可で戻った場合は、話が変わります。仕入れ1,200円が消え、その商品を倉庫から出すための返送または所有権の放棄(廃棄)に、1点あたりの手数料がかかります(金額はサイズと重量で変わります。最新はセラーセントラルの料金表でご確認ください。ここでは50円と仮定します)。
合わせて2,634円。手残り1,050円の2.51個ぶんです。
平均すると、1件1,484円です
再販できるか、できないか。これは商品と購入者の扱いで決まるので、あらかじめ選べません。
半々と置いて平均を出します。

1件1,484円。1.41個ぶんです。
言い方を変えます。返品が1件来たら、次に売る1.4個は、その穴を埋めるために売ることになります。 その1.4個ぶんの作業時間28分も、利益にはなりません。
ここで最初の「2%は誤差」に戻ります。
月100個・返品2件なら、消えるのは2,968円。利益105,000円に対して2.8%です。 返品率2%が、利益では2.8%になって出てきます。
率は、そのままの大きさでは効きません。
返品率は、販売手数料に換算できます
ここからが、この記事でいちばん使える部分です。
1個あたりで見ると、返品率が1ポイント上がるごとに手残りは14.84円減ります(1,484円 ÷ 100個)。
一方、販売手数料が1ポイント上がると、3,000円の商品では30円減ります。
割り算をします。

返品率2ポイントは、販売手数料1ポイントとほぼ同じ重さです。
この換算は、売値3,000円・仕入れ1,200円・再販可能50%という当サイトの前提で出したものです。前提が変われば係数も変わります(全部再販できるなら0.11ポイント、全部廃棄なら0.88ポイント)。それでも、返品率が手数料率と同じ土俵に乗るという構造は変わりません。
返品率別に、1個あたりの実効手残りを並べます。

返品率25%の世界では、1個1,050円のはずの手残りが679円になります。同じ商品を、同じ時間かけて売っているのにです。
服の12.4%は、本の15.4%より高くなります
ここで、カテゴリー選びの話につながります。
多くの人は販売手数料率でカテゴリーを比べます。公式の料金ページでは、本・DVD・ミュージックが15.4%、エレクトロニクスが5〜8.4%、服&ファッション小物が5〜12.4%です(2026年9月時点)。
数字だけ見れば、本は不利に見えます。
返品率を足します。返品率の業界平均は、Amazon公式が出しているものではありません。ここではリベシティの解説記事が挙げている業界平均(アパレル20〜30%、靴15〜25%、電子機器10〜15%、化粧品5〜10%、食品・日用品3〜5%、書籍2〜5%)を、その中央値で使います。出所が二次情報である点は、そのまま受け取ってください。

服&ファッション小物は、表面12.4%が実効24.7%になります。 本の15.4%(実効17.1%)を、7.6ポイント上回ります。
エレクトロニクスは表面8.4%で、本より7ポイント安く見えます。返品を足すと実効14.5%。差は2.6ポイントまで縮みます。
手数料率の表だけでカテゴリーを決めると、この部分が抜け落ちます。安いほうを選んだつもりで、返品率で返されます。
あなたが扱っているカテゴリーの実効率は、上の表の換算(返品率 × 0.49)で出せます。表面の率に足すだけです。
たしかに、返品そのものは減らせません
ここまで読んで、こう思われたはずです。
「計算は分かった。でも返品するのは購入者で、こちらには止めようがない。」
そのとおりです。返品理由の多くは出品者の手の外にあります。サイズが合わない、思っていたのと違う、気が変わった。どれも、あなたが変えられるものではありません。
止められるのは、返品ではありません。戻ってきた1点の行き先です。
販売不可で戻った商品を倉庫から引き取ると、それは自宅在庫になります。押入れの段ボールに入ります。
そして、そこで止まります。
捨てられない1,200円
引き取った1点を前にして、手が止まります。
捨てれば、数字の上では片づきます。 損失は確定して、帳簿はきれいになります。
でも、その1,200円は自分が現金で払ったものです。開封されただけで、物はほとんど新品に見えます。捨てるのは、どうしても惜しい。
だから押入れに置きます。「あとで中古で出そう」と思いながら。
3ヶ月後、それが何だったかを思い出せません。
いくらで仕入れたのかも、いつ戻ってきたのかも分かりません。棚卸しの時期に段ボールを開けて、「これ、いくらだっけ」とまた手が止まります。
こうして、返品1件の2,634円は確定した損にもならず、資産にもならないまま、家の中に積み上がります。
想像してみてください
来月の棚卸しの日です。
押入れの段ボールを開ける必要がありません。スマホを開くと、戻ってきた在庫が1点ずつ、写真つきで並んでいます。 仕入れ値も、戻ってきた日も、置き場所も入っています。
そのうち1点に、通知が来ています。設定した金額まで相場が上がりました。
その1点を中古で出します。1,200円で消えるはずだったものが、売値になって戻ります。返品1件ぶんの穴が、そこで半分埋まります。
棚卸しの合計額は、エクスポートを押せば出ます。日曜は、まるまる空いています。
いま、その逆をやっています。段ボールを開けて、1点ずつ「いくらだっけ」と思い出そうとしているほうです。
返品通知が来た日に、やることは3つです

あなたの返品率そのものは、セラーセントラルの返品レポートで出せます。業界平均を当てる必要はありません。
このうち3番目が抜けると、期末の在庫額が合わなくなります。
仕入れた商品は、売れて初めて経費になります。売れずに手元にあるものは、年末時点で在庫として計上します(詳しくは確定申告の記事に書きました)。
返品で戻って押入れに入った1点も、その在庫です。 帳簿から消えているのに家にある、という状態が一番やっかいです。
見方を1つ変えるだけです

右の見方に変えると、返品通知を開いたときにやることが決まります。再販できたのか、できなかったのか。 それだけを確認すればいい。
334円か、2,634円か。8倍違うものを、同じ「1件」で数えていたのが、これまででした。
この記事のまとめ
- 返品1件の純減は、再販できて334円・廃棄なら2,634円。平均1,484円=1.41個ぶん
- 返ってこないのは配送代行手数料288円と返金処理手数料46円(500円か販売手数料の10%の小さいほう)
- 返品率が1ポイント上がると、1個あたりの手残りは14.84円減る
- 返品率2ポイント ≒ 販売手数料1ポイント(売値3,000円・再販可50%の前提)
- 服&ファッション小物は実効24.7%で、本の15.4%(実効17.1%)より高い
- 止められるのは返品ではなく、戻ってきた1点の行き先
今日、戻ってきた1点を登録してください
返品を止める方法は、この記事にはありません。そんなものは存在しないからです。
あるのは、戻ってきた在庫を押入れで死なせないことだけです。
在庫管理くんは、ASINを入れると商品画像つきで登録され、仕入れ値・保管場所・在庫額が自動で記録されます。 設定した金額まで相場が上がれば通知が来ます。棚卸し用のエクスポートもあります。
月1,980円。当サイトの基準では、回収に必要なのは月2個です。返品でいえば、1.3件ぶんにあたります。
14日間は無料です。今日戻ってきた1点と、押入れにすでに入っている分を入れてください。2週間後には、家の中にいくら寝ているかが金額で出ます。
そこが出れば、次に「返品が開始されました」と来たときに、閉じる前にやることが分かります。
在庫管理くんを14日間無料で試す(以降 月1,980円)
この記事の計算方法:返品1件の純減 = 消えた利益 + 返金処理手数料 + 配送代行手数料(+再販不可の場合は仕入れ値と返送/廃棄手数料)。1個あたりの目減り = 返品1件の純減 ÷ 100個 × 返品率(ポイント)。手数料率への換算 = 1ポイントあたりの目減り ÷(売値 × 1%)。売値3,000円・仕入れ1,200円・手残り1,050円・1個20分・時給3,150円は当サイト共通の基準値で、再販可能率50%・返送/廃棄手数料50円は当サイトが置いた仮定です。販売手数料(本・DVD・ミュージック15.4%、エレクトロニクス5〜8.4%、服&ファッション小物5〜12.4%、ホーム&キッチン5〜15.4%、食品&飲料5〜10.4%)、FBA配送代行手数料(小型252〜288円)、返金処理手数料(500円または販売手数料の10%の小さいほう)はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。返品率の業界平均はリベシティの解説記事の記載であり、Amazon公式の公表値ではありません。返送/所有権の放棄の手数料は商品のサイズ・重量で変わります。料金は変更されることがあります。最新の情報は公式ページおよびセラーセントラルでご確認ください。税務上の判断は税理士または税務署にご確認ください。
他のツールと比べる
せどりツールは、月に何個仕入れれば元が取れるのか【全13種】
