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大きい商品を扱っている方だけ、読んでください。
文庫本とDVDしか送っていない方には、この記事の金額は最後まで誤差のままです。
90日を超えた在庫が、17点ありました
セラーセントラルの在庫画面を、久しぶりに開きました。
保管日数の順に並べ替えます。上から17点が、90日を超えていました。
そのうち4点は、去年の11月に納品したものです。もう10ヶ月、倉庫にいます。
数えているあいだ、見なければよかった、と思いました。 開かなければ、この17点は今日も存在しないままでした。
覚えてはいました。値下げすれば売れることも分かっています。仕入れ1,200円の商品を、2,500円まで下げれば、たぶん今週中に動きます。
それでも、手が止まります。
3,000円で売れれば1,050円残ります。2,500円なら550円です。500円の差は、半分です。
「あと1ヶ月待って、3,000円で売れるかもしれない」
そう思って、今日も閉じました。この10ヶ月、毎回そうしてきました。
待つのにかかる費用は、月85円です。85円で1ヶ月待てるなら、待ったほうが得に見えます。
「置いておけばいい」の値段を、正確に出します
FBAの在庫保管手数料は、体積と日数で決まります。重さではありません。
計算式は公式の料金ページに出ています。
係数 ×(商品サイズcm³ ÷ 1,000)× 保管日数 ÷ 当月の日数
係数は、サイズ区分と月で変わります。

ここが、この記事でいちばん先に知っておくべき数字です。10月1日から、小型・標準は1.78倍、大型・特大型は2.13倍になります。
値上げではありません。毎年こうなっています。 年末商戦で倉庫が混むためです。
1日あたりに直すと、痛くありません
係数を商品ごとの1日あたりに直します。

文庫本なら1日0.07円です。1年置いても32円。
単行本で1日0.17円。ここまでは、どう考えても誤差です。
靴箱サイズで1日1.36円。中古家電で1日2.84円。それでも、缶コーヒー1本にもなりません。
だから多くの人が、こう言います。「保管料なんて気にする額じゃない」
私も最初にこの数字を出したとき、正直なところ、少しほっとしました。 10ヶ月置いた4点の請求が、合計で数十円にしかならなかったからです。
そのとおりです。そして、そこが問題です。
保管料は、請求書ではなく時計です
保管料が痛ければ、人は動きます。1日500円取られるなら、誰でも翌日に値下げします。
痛くないから、動きません。
1日2.84円は、判断を先送りするコストとしては安すぎます。だから今日も閉じて、明日も閉じます。
そうやって、日数だけが積み上がります。保管料の役割は、あなたから金を取ることではありません。何日経ったかを数えていることです。
金額を見ている限り、この時計は目に入りません。
1年ぶんまとめると、ようやく姿が出ます。
1年置くと、こうなります
1〜9月は係数5.676円、10〜12月は10.087円。1年間の合計は、9ヶ月ぶんと3ヶ月ぶんの足し算になります。

中古家電サイズを1年置くと、保管料は1,220円です。手残り1,050円を超えます。
1個売って残るはずだった利益が、保管料だけで消えます。売れたのに、利益はゼロです。
大型サイズなら3,632円。手残りの3.5倍です。1個売るごとに3個ぶんの赤を出しながら、在庫を抱えていることになります。
文庫本の32円と、大型の3,632円。同じ「置いておけばいい」で、113倍の差がついています。
賞味期限を、割り算で出します
ここから、商品ごとの線を1つ作ります。
手残り ÷ 月あたりの保管料。保管料だけで利益がゼロになるまでの月数です。当サイトではこれを保管料で見た賞味期限と呼びます。

出してみると、こうなります。
- 文庫本 467ヶ月(38年)
- 単行本 206ヶ月
- 靴箱サイズ 25.7ヶ月
- 中古家電 12.3ヶ月
- 大型 4.4ヶ月
寝かせ戦略が成立するのは、賞味期限が長い商品だけです。
文庫本を1年寝かせて値上がりを待つのは、理にかなっています。保管料は32円で、値上がりの期待値がそれを上回るなら勝ちです。
大型商品で同じことをすると、4.4ヶ月で利益が溶けます。 値上がりを待っているつもりで、保管料に払っています。
なお、これは10〜12月を含まない係数での計算です。年末をまたぐなら、賞味期限は約半分になります(中古家電なら6.9ヶ月)。
在庫が100点あると、月いくらですか
1点ずつ見ていると小さいので、まとめます。平均1,000cm³(単行本より少し大きい程度)で置きます。
- 在庫100点:1〜9月は567円/月。10〜12月は1,008円/月
- 在庫288点(90日回転・月96個ペース。回転日数の記事で出した数字です):1,635円/月 → 2,905円/月

10月から12月の3ヶ月で、288点の人は3,810円多く払います。手残り1,050円の3.6個ぶんです。
在庫が増えるほど、10月1日の線は重くなります。
たしかに、値下げすれば手残りは減ります
ここで、あなたはこう思われたはずです。
「保管料が1年で1,220円なら、500円値下げするほうが損じゃないか」
1年で比べればそのとおりです。1ヶ月で比べると、逆になります。
500円値下げして今日売れば、550円が今日入ります。1ヶ月待つコストは85円ですから、待って3,000円で売れるなら、待ったほうが465円得です。
計算は合っています。問題は「1ヶ月待てば売れる」という部分です。
10ヶ月置いたということは、その1ヶ月の賭けに10回連続で外しているということです。11回目だけ当たる理由はありません。
そして待っている間、動いていないのは保管料だけではありません。仕入れ1,200円が止まり、次の仕入れができません。止まった資金のほうが、保管料より桁が大きいです。
想像してみてください
12月31日です。
セラーセントラルを開くと、保管日数が90日を超えた在庫はゼロです。
年末の係数が1.78倍になったことに、気づきもしませんでした。掛ける対象が残っていなかったからです。
在庫は全部、11月と12月に動きました。値下げしたものもありますが、売れた数が増えたので、月の手残りは減っていません。
年が明けても、去年の在庫を引きずっていません。1月の仕入れ資金は、去年の在庫にではなく、1月の商品に入ります。
いま、その逆をやっています。去年の11月に仕入れた4点を、今年の11月も持っているほうです。
去年の自分が「来月には売れる」と思って閉じた画面を、今年も同じ気持ちで閉じるのは、少し恥ずかしい。 それが動く理由になるなら、それでかまいません。
365日を超えると、別の手数料が乗ります
もう1つ、線があります。
公式の料金ページには、フルフィルメントセンターでの保管期間が365日を超えた在庫には、長期在庫保管手数料が追加で発生すると書かれています(金額と最新の条件はセラーセントラルの料金表でご確認ください)。
通常の保管料に、追加で乗ります。
賞味期限12.3ヶ月の中古家電は、その線とほぼ同じ場所にいます。1年置いた時点で保管料が利益を超え、そこから長期の手数料が足されます。
365日は、気づいたときには過ぎています。 日数を見ていないからです。
9月30日までに、日付を決めてください
やることは3つだけです。

金額を見るのをやめて、日数を見ます。

この記事のまとめ
- 保管料は体積 × 日数で決まる。重さではない
- 係数は10月1日から小型・標準1.78倍、大型・特大型2.13倍(毎年)
- 1日あたりは0.07〜7.87円。痛くない。だから日数が伸びる
- 1年置くと、中古家電1,220円(手残りの116%)・大型3,632円(346%)
- 保管料で見た賞味期限 = 手残り ÷ 月あたり保管料。文庫本467ヶ月・大型4.4ヶ月
- 年末をまたぐと賞味期限は約半分。365日を超えると長期在庫保管手数料が別に乗る
決めるのは価格で、変わるのは日数です
保管料を減らす方法は、ひとつしかありません。日数を短くすることです。
体積は変えられません。係数も変えられません。動かせるのは、何日で売り切るかだけです。
そして日数を決めているのは、あなたの価格です。
問題は、価格を毎日見直す時間が、兼業にはないことです。17点の保管日数を確認して、1点ずつ値付けをやり直す。 それを毎日やれる人は、そもそもこの記事を読んでいません。
マカド!は、価格改定を自動でやります。当サイトの基準では、月4,980円の回収に必要なのは月5個です。
そして最大2ヶ月、無料で使えます。 10月・11月の2ヶ月です。係数が1.78倍になる期間が、ちょうどそのまま無料期間に入ります。
今日やることは、ひとつだけです。90日を超えた在庫が何点あるかを数えてください。 数えたら、その点数に日付をつけてください。
この記事の計算方法:在庫保管手数料 = 係数 ×(商品サイズcm³ ÷ 1,000)× 保管日数 ÷ 当月の日数。1年ぶん = 1〜9月の係数 × 9ヶ月 + 10〜12月の係数 × 3ヶ月。保管料で見た賞味期限 = 1商品あたりの手残り ÷ 月あたりの保管料。係数(小型・標準:1〜9月5.676円/10〜12月10.087円、大型・特大型:3.278円/6.984円、服&ファッション小物:3.10円/5.50円)と計算式、および長期在庫保管手数料が保管365日超で発生することはAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。 長期在庫保管手数料の金額はこの記事では算入していません。商品サイズ(文庫本396cm³・単行本900cm³・靴箱7,200cm³・中古家電15,000cm³・大型72,000cm³)は代表的な例で、実際の梱包サイズで変わります。手残り1,050円・時給3,150円は当サイト共通の基準値です。料金・区分は変更されることがあります。最新の情報は公式ページおよびセラーセントラルでご確認ください。
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