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食品・サプリ・ペットフードを仕入れている方だけ、読んでください。
本やおもちゃ、文房具しか扱っていない方には、この記事の45日という数字は最後まで関係ありません。
賞味期限を入力する画面で、手が止まりました
日曜の夜、まとめ買いした焼き菓子を、FBAの納品プランに組んでいました。
30個確保できた売れ筋です。利益率も悪くない。いつものように出荷設定を進めると、途中で賞味期限を入力する欄が出てきました。
パッケージを裏返すと「賞味期限まであと80日」。まだ2ヶ月半あります。これなら余裕だろう、と思って先へ進めました。
数字を入れると、画面に注意が出ました。「販売可能期間が短いため、受領できない可能性があります」。
「え、まだ80日あるのに」と、思わず声が出ました。そこで、手が止まりました。
賞味期限は、まだ切れていません。家で食べるぶんには、何の問題もない80日です。それなのに、Amazonは受け取れないと言う。ひやりとしたのは、30個ぶんの仕入れ代金が、もう財布から出ていたからです。
そのときの私は、食品は手数料が低くて利益率が高い、回転もいい、だから儲かる商品だと思っていました。賞味期限に、自分の知らない線が引かれていることに、あとで気づきます。
「食品は利益率が高い」で、数を積んでいました
食品の販売手数料は、本や文房具より低めです。だから同じ売値でも、手元に残る金額は多くなります。
当サイトの基準の商品で並べます。売値3,000円・仕入れ1,200円で、文房具なら手残りは1,050円。食品なら、販売手数料が安いぶん、1,200円です。1個あたり150円、多く残ります。
だから「食品は利益率が高い」は、半分は本当です。 1個ずつ見れば、たしかに文房具より得です。
問題は、その150円が「売れた1個」の話でしかないことでした。売れなかった1個は、利益率のどこにも出てきません。そして食品には、売れなくなる日が、最初から決まっています。
要期限管理商品は、あなたがよく仕入れる棚です
Amazonでいう「要期限管理商品」は、特殊な冷凍食品のことではありません。賞味期限や消費期限が印字してある商品が、そのまま当てはまります。

お菓子、飲料、レトルト、調味料。プロテインやビタミンなどのサプリメント。ドッグフード。一部の化粧品。あなたが「利益率が高い」と思って手に取る棚の、多くがここに入ります。
避けろという話ではありません。問題は、賞味期限を「まだ食べられるか」で見ていることでした。 Amazonは、そこを別の基準で見ています。
Amazonは、賞味期限に2本の線を引きます
要期限管理商品には、パッケージの日付とは別に、Amazonが引く線が2本あります。

1本目は、納品の線。FBA倉庫が受領する時点で、賞味期限まで残り60日以上ないと、受け取ってもらえません。冒頭の焼き菓子が止まったのは、80日でも余裕がなかったからです。検品や棚入れの日数を引くと、ぎりぎりだったのです。
2本目は、販売停止の線。受領されたあとも、賞味期限まで残り45日になると、その商品は販売不可に切り替わります。残りの45日は、値札すら付けられません。
しかも、残り45日を切った要期限管理商品は、自動返送の対象外です。放置すると、通知のないまま廃棄されます。(この60日・45日という運用は、複数の解説が一致する二次情報です。最終的な基準はセラーセントラルでご確認ください。)
「実際に売れる期間」は、印字より45日短い
ここが、この記事でいちばん先に知っておくべきところです。
あなたが売れるのは、賞味期限まで残り45日になるまで。 つまり、パッケージに書かれた期限の最後の45日は、最初から売り物になりません。
賞味期限の長さごとに、実際に売れる期間を出します。

賞味期限90日(3ヶ月)の食品なら、実際に売れるのは45日。半分が、最初から売れません。 賞味期限が180日あっても、売れるのは135日で、4分の1が消えます。
逆に、賞味期限が1年あるサプリメントなら、45日が占める割合は12.3%まで下がります。2年なら6.2%です。利益率ではなく、賞味期限の長さで、売れる期間がまるごと変わります。
そして「売れる期間」は、そのまま回転のノルマになります。90日の食品を30個仕入れたら、実質45日で売り切る必要がある。1日0.67個。 売れ行きがそこに届かなければ、残りは棚ではなく、廃棄に回ります。
売れ残った1個は、値下げもできず消えます
売り切れなかったら、どうなるのか。
返品ではありません。一度も売れないまま、賞味期限で廃棄されます。 返品なら販売手数料は戻りますが、期限切れの廃棄は、売上がゼロのまま仕入れ代がまるごと消えます。

1個で1,243円。手残り約1個ぶんが、現金で出ていきます。 これに廃棄・返送の手数料が別に乗ります。
思い出してください。売れていれば、この1個はプラス1,200円でした。売れたか・切れたかで、手元は2,443円振れます。手残り、約2個ぶんです。
「利益率が高い」の150円は、この2,443円の前では小さい数字でした。
廃棄率6.1%で、利益率は逆転します
では、何個に1個捨てたら、食品の「利益率が高い」は消えるのか。
食品が1個で多く残す150円を、期限切れ1個の振れ2,443円で割ります。

答えは6.1%。16個に1個でも期限切れで捨てれば、利益率の高いはずの食品が、利益率の低い文房具(1,050円)に負けます。
食品の廃棄率は、扱う商品と回転しだいで、1桁%はすぐに出ます。つまり手残りを決めているのは、利益率ではありませんでした。賞味期限までに、何%を売り切れるかです。
敵の「食品は利益率が高い」は、正確にはこうです。「売り切れたときだけ、利益率が高い」。 そして売り切れるかどうかを決めるのが、45日の線でした。
たしかに、期限を延ばす方法はあります
ここで、あなたはこう思われたはずです。
「特別な申請をすれば、45日の線は動かせるのでは」
そのとおりです。特別ルールを申請すると、温度管理の要らない焼き菓子などは、受領時残り30日で納品でき、残り15日まで販売できるとされています(二次情報)。線が短いぶん、売れる期間は延びます。
ただ、裏返しが2つあります。ひとつ、これは申請が要るもので、すべての食品が対象ではありません。ふたつ、同じ商品でも賞味期限が違うと、別々の納品プランで送る必要があります。 同じ棚で買っても、製造日が混ざれば、手間が増えます。
そして、いちばん大きいのは、どの線でも「期限切れ=全損」は変わらないことです。線が15日に縮んでも、売り切れなければ廃棄されます。延ばせるのは締切であって、締切そのものは消えません。
食品には、時計が2つあります
保管料の記事で、当サイトは「保管料で見た賞味期限」という指標を作りました。手残り ÷ 月あたりの保管料で、保管料だけで利益がゼロになるまでの月数です。小さい食品なら、これは何百ヶ月にもなります。
だから、保管料の時計だけを見ていると、食品は「いくらでも置ける在庫」に見えます。そこが、落とし穴でした。

食品には、もう1つの時計があります。パッケージに印字された、本物の賞味期限です。こちらは金額でじわじわ減るのではなく、ある日、価値がまるごとゼロになります。
保管料の時計が467ヶ月でも、本物の時計が90日なら、先に来るのは90日のほうです。保管料が痛くないからと置いておくと、本物の期限に焼かれます。 在庫を寝かせがちな人ほど、食品では危ない。
30個を前にして、迷いました
受領されるか分からない焼き菓子を30個抱えて、しばらく動けませんでした。
自己発送に切り替えるか、値下げして早く回すか、諦めるか。消耗品なので、損切りの記事で使った「待てば売れる確率」の計算も、ここでは効きません。確率の話ではなく、45日後に価値がゼロになる、という確定した締切だからです。
結局、半分は値下げして早めにさばき、残りは自己発送に回しました。手残りはその月だけ削れました。惜しかったのは、この30個を「賞味期限で売れる期間が決まる」と、仕入れる前に一度も考えなかったことです。 棚の前で日付を見て、売れる期間を引き算するだけで、防げた話でした。
想像してみてください
次に、ドラッグストアで良い売れ筋の食品を見つけたとき。
あなたが最初に見るのは、利益率ではありません。 パッケージの賞味期限です。残り何日か。そこから45日を引いて、実際に売れる期間を出す。その期間で回転しきれる個数だけを、カゴに入れます。
数日後、FBAに受領され、期限のいちばん近いものから順に売れていきます。残り45日が近づくロットは、その前に値下げして、廃棄に回る前にさばく。期限切れで消える在庫は、ゼロです。
いま、その逆をやっています。利益率だけを見て数を積んで、賞味期限を「まだ食べられる」で判断して、45日の線を知らずに、売れ残りを廃棄しているほうです。
去年、期限切れで捨てた食品の金額を、あなたは覚えていますか。覚えていないなら、それは利益率のどこにも出ていない損です。
仕入れる前・納品時・45日前の3手順
やることは3つだけです。

このうち1番目、仕入れる前に賞味期限を見るだけで、受領されずに戻ってくる事故のほとんどが防げます。残りの2つは、入れたあとに全損させないための手順です。
この記事のまとめ
- 要期限管理商品は、食品・飲料・サプリ・ペットフード・一部の化粧品など、賞味期限の印字がある商品(二次情報)
- Amazonは賞味期限に線を2本引く。納品は残り60日以上/販売停止は残り45日(二次情報・要確認)
- 実際に売れる期間 = 賞味期限 − 45日。90日の食品は実質45日で、半分が最初から売れない
- 売れ残りは値下げもできず廃棄。期限切れ1個の損は1,243円(+廃棄手数料)=手残り約1個ぶん
- 食品の利益率の優位(1個+150円)は、廃棄率6.1%(16個に1個)で、利益率の低い文房具に負ける
- 食品には時計が2つある。保管料の時計が長くても、本物の賞味期限が先に来る
手残りを決めているのは、賞味期限のほうです
食品の利益率が本や文房具より高いのは、事実です。ただしそれは、売り切れたときだけの話でした。
売れる期間はパッケージの印字より45日短く、売り切れなければ値下げもできずに廃棄されます。決めているのは利益率ではなく、賞味期限までに何%を回せるかです。
そして、賞味期限を管理して食品を売り切る仕組みができると、次の締切が来ます。確定申告です。
食品・飲料・サプリの多くは、消費税が軽減税率8%です。10%の商品と混ざったまま1年ぶんを売ると、決算期に8%と10%を分けて集計する作業が待っています。ところが、Amazonのセラーセントラルは、税率別の設定はできても、8%売上の総額だけは合計してくれません。
AmaTaxCalcは、その集計だけを引き受けるツールです。商品ごとの税率設定が済んでいれば、8%と10%を自動で分けます。設定と10%のままずれる金額は、軽減税率の税抜売上の2%。継続料金は月1,000円なので、当サイトの計算では、軽減税率の売上が月5万円あれば元が取れます(税率区分や課税事業者かどうかで実額は変わります。詳しくはレビュー記事と、判断は税理士・税務署へ)。
AmaTaxCalcを申し込む(初月11,800円・2ヶ月目以降1,000円)
今日やることは、ひとつだけです。この前まとめ買いした食品の賞味期限を見て、そこから45日を引いてください。 それが、あなたが実際に売れる期間です。仕入れた個数を、その日数で割り切れないなら、値下げの日付を今のうちに決める。そこが、廃棄と手残りの分かれ目です。
この記事の計算方法:1個あたりの手残り = 売値 − 販売手数料 − FBA配送代行手数料 − 仕入れ値。食品(食品&飲料カテゴリー)の販売手数料は売値3,000円で10.4%=312円、FBA配送代行手数料は小型288円、仕入れ1,200円で、手残りは1,200円(文房具の15.4%=462円・手残り1,050円より150円多い)。期限切れ廃棄1個の損 = 仕入れ値1,200円 + 納品費43円 = 1,243円(廃棄・返送手数料は別途)。売れた場合(+1,200円)との差は2,443円。食品の優位が消える廃棄率 = 150円 ÷ 2,443円 = 6.1%。 実際に売れる期間 = 賞味期限 − 45日(残り45日で販売停止)。販売手数料10.4%・FBA配送代行手数料288円はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)で、率はカテゴリーと価格帯によって変わります。要期限管理商品の運用(FBA受領時に賞味期限まで残り60日以上が必要/残り45日で販売不可となり返送または廃棄/特別ルール申請時は受領時30日・販売は残り15日まで/同一商品でも賞味期限が異なると別の納品プランが必要)は、複数の解説が一致する二次情報です。ある商品が要期限管理商品に該当するか、最新の日数基準、廃棄・返送手数料の金額は、セラーセントラルでご確認ください。 売値3,000円・仕入れ1,200円・手残り・回転日数・時給3,150円は当サイト共通の基準値で、賞味期限の長さ(60〜730日)は幅を示すために置いた例です。消費税の実際の影響は課税事業者かどうか・原則課税か簡易課税かで変わります。判断は税理士または税務署にご確認ください。
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