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本を扱っている方だけ、読んでください。
家電や日用品しか扱っていない方には、この記事の「成約料」が発生しません。
60冊納品して、残ったのは1万円でした
日曜です。ブックオフの100円棚から、60冊拾ってきました。
1冊ずつ状態を見て、値札を剥がして、袋に入れて、ラベルを貼る。3時間半かかりました。
途中で何度か手が止まりましたが、止まったのは疲れたからで、計算をしたからではありません。
2週間で48冊売れました。回転はいいほうです。
売上は58,000円。通帳に残ったのは、1万円ちょっとでした。
「本は薄利だから」と、そのときは思いました。単価が安いのだから仕方がない、と。
いま計算すると、薄利だった理由は単価ではありません。
本には、定額の料金が乗ります
本・DVD・ミュージック・PCソフト・ビデオは、Amazonがメディアとして扱うカテゴリーです。
販売手数料は公式の料金ページで15.4%。これは家電や日用品と同じか、むしろ高めです。
問題は、率ではありません。 メディアにはカテゴリー成約料という定額が1冊ごとに乗ります。
セラーセントラルのヘルプによると、本・ミュージック・DVD・ビデオ(VHS)・PCソフトのいずれも1点あたり140円です。本は2025年4月15日に80円から140円へ引き上げられました。

定額は、売値が下がるほど重くなります。
500円の本は、実効43.4%です
販売手数料の率に、成約料を売値で割った率を足すと、実効の手数料率が出ます。

500円の本は43.4%。3,000円の本は20.1%。 同じカテゴリーで、2倍以上の差がつきます。
2025年4月15日より前は、本の成約料は80円でした。同じ500円の本の実効率が31.4%から43.4%へ、12ポイント上がっています。
100円で仕入れて500円で売る。冊数は出ます。それでも残らないのは、1冊ごとに140円が抜けているからでした。
冊数を増やしても、この比率は変わりません。 100冊やっても、1冊ごとに140円が抜けるだけです。改善するには、売値のほうを動かすしかありません。
100円の本は、664円未満だと赤字です
実際の分岐も出しておきます。仕入れ値ごとに、手残りがゼロになる売値です。

仕入れ100円なら546円、200円なら664円、300円なら783円。
「100円で仕入れて500円で売れた」は、赤字です。48冊売れても、売れるほど減ります。
冒頭の私が拾ってきた60冊のうち、何冊がこの線の下にいたのかは、いま数えたくありません。
分かった日は、少し嫌な気分になりました。売れた48冊という数字を、2週間ずっと成果だと思っていたからです。売れるほど減る商品が混ざっていたと知ると、その48という数字の意味が変わります。
1,001円で売ると、1,000円より65円減ります
もう1つ、本には段差があります。FBAの配送代行手数料です。
公式の料金ページによると、小型サイズは1,000円以下が222円、1,000円超が288円。1円またいだ瞬間に66円上がります。

売値1,000円の手残りは284.0円。1,001円だと218.8円です。1円値上げして、65.2円減ります。
元の284.0円に戻るのは1,078円。つまり——
1,001円から1,078円は、1,000円で売るより手残りが少ない価格帯です。
価格のデッドゾーンの記事では販売手数料の段差を扱いましたが、本の場合はFBA側にも段差があります。
手残り1,050円は、売値2,102円からです
当サイトが基準にしている手残り1,050円を、本で出すといくらの値付けが要るか。

仕入れ300円なら、売値2,102円。
100円の棚では、まず届きません。専門書・技術書・絶版の帯付きといった棚に移ることになります。
本せどりで残す人が単行本や専門書を見ているのは、趣味ではなく、この計算の結果でした。
そして専門書は、1冊あたりの作業時間が100円の本と変わりません。 値札を剥がす時間も、袋に入れる時間も同じです。増えるのは手残りだけで、そこが本というジャンルのいちばん効率のいい部分でした。
たしかに、本は回転が速い
ここで、あなたはこう思われたはずです。
「1冊の利益は小さくても、本はすぐ売れる」
そのとおりです。冒頭の60冊も、2週間で48冊動きました。 回転80%は、他のジャンルではなかなか出ません。
回転日数の記事のとおり、資金が少ないうちは回転がすべてです。同じ10万円が、30日回転なら月83個、90日回転なら28個。
だから本は、資金が薄い時期の入口としては正しい。
問題は時間のほうです。60冊で3時間半なら、1冊3.5分。当サイトの基準は1個20分ですが、本はリサーチも検品も速いので、冊数で押せます。
それでも1冊の手残りが200円なら、時給は3,428円。 1冊の手残りが50円なら、857円です。
回転が速いことは、赤字の本を救いません。 むしろ速く回るぶん、気づくのが遅れます。
剥がした値札の数だけ、時間が消えました
正直に書くと、60冊の値札を剥がしているとき、私は何も考えていませんでした。
100円だから安い。たくさんあるから儲かる。冊数が増えるほど、やっている感じがします。
計算したのは、そのあと2ヶ月経ってからです。先に計算していれば、拾う冊数は3分の1になっていました。 そして3時間半のうち2時間は、別のことに使えました。
いちばん高かったのは、140円ではなく、その2時間でした。
想像してみてください
次の日曜です。
あなたが棚の前で見ているのは、値札ではありません。 スマホに出ているのは、その本の売値と、実効手数料率と、手残りです。
500円で売れる本は、そもそもカゴに入れません。 仕入れ100円でも546円が分岐だと分かっているからです。
代わりに、1,800円の専門書を1冊入れます。これ1冊の手残りが、100円棚の本8冊ぶんです。
その日に拾ったのは18冊。作業は1時間で終わりました。残った2時間半で、翌週の下調べができます。
いま、その逆をやっています。60冊の値札を剥がして、そのうち何冊が赤字かを数えていないほうです。
棚の前でやる3手順

このうち1番目だけで、拾う冊数は半分以下になります。減った冊数は、そのまま時間として戻ってきます。

この記事のまとめ
- 本はメディア扱いで、販売手数料15.4%+カテゴリー成約料(定額)
- 定額は売値が下がるほど重い。 実効手数料率は500円で43.4%、3,000円で20.1%
- 赤字ライン:仕入れ100円なら546円、200円なら664円、300円なら783円
- ★FBA小型は1,000円以下222円/1,000円超288円。1,001〜1,078円は1,000円で売るより手残りが少ない
- 手残り1,050円に必要な売値は仕入れ300円で2,102円
- 回転の速さは本の強み。ただし赤字の本は救えない
1,000円の段差は、手では避けられません
この記事でいちばん実務的なのは、1,001〜1,078円を避けるという話です。
ただし、これを手でやるのは現実的ではありません。相場は動きます。昨日1,100円だった本が、今日は1,050円になっていることがあります。気づかずに放置すれば、段差の中に落ちたままです。
マカド!は価格改定を自動で回します。下限価格を決めておけば、その範囲で相場に追随します。 在庫が100冊あっても、1冊ずつ見に行く必要がありません。
月4,980円。当サイトの基準では回収は月5個です。本なら、1,800円の専門書を5冊。100円棚の本だけで回収しようとすると、手残り200円で25冊必要になります。
その差が、そのまま「どの棚を見るか」の答えです。
最大2ヶ月は無料なので、まずは在庫の価格帯がどこに寄っているかを見てください。
今日やることは1つです。いま出品中の本を、売値1,001〜1,078円で絞り込んでください。 そこにいる本は、1,000円に下げたほうが手残りが増えます。
この記事の計算方法:実効手数料率 = 販売手数料率 +(カテゴリー成約料 ÷ 売値)。手残り = 売値 − 販売手数料 − カテゴリー成約料 − FBA配送代行手数料 − 仕入れ値。赤字にならない最低売値 =(成約料 + FBA配送代行手数料 + 仕入れ値)÷(1 − 販売手数料率)。メディア(本・DVD・ミュージック・PCソフト・ビデオ)の販売手数料15.4%と、FBA配送代行手数料の小型サイズ(1,000円以下222円/1,000円超288円)はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。カテゴリー成約料(本・ミュージック・DVD・ビデオ(VHS)・PCソフトのいずれも1点140円、2025年4月15日から本とPCソフトが140円に引き上げ)はセラーセントラルのヘルプの記載にもとづきます。 なお同ヘルプではメディアの販売手数料が15%と表記されており、料金表の15.4%と差があります。当サイトは料金表の15.4%で計算しています。 また公式の料金ページには「販売手数料のみが税抜きで計算され、その他のすべての手数料には適用される税金が含まれます」と記載があります。 手残り1,050円・時給3,150円は当サイト共通の基準値です。商品のサイズ区分・重量によってFBA配送代行手数料は変わります。
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