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家族や知人に「それ、転売でしょ」と言われたことがある方だけ、読んでください。
言われたことがない方には、この記事の後ろめたさが発生しません。
実家で、母にそう言われました
盆に帰ったときです。荷物を送る話の流れで、何をしているか聞かれました。
安く仕入れて、Amazonで売っている。そう説明した瞬間、母の顔が少し変わりました。
「それ、転売でしょ。大丈夫なの」
大丈夫です、と答えました。それ以上の説明ができませんでした。
自分でも、どこまでが問題ないのか整理できていなかったからです。ニュースで見るのは「転売ヤー」の話ばかりで、自分がそこに含まれるのかどうか、判断がついていませんでした。
帰りの電車で調べて分かったのは、法律が見ているのは売った物でも価格でもないということでした。
3つの層に分けると、判断できます
せどりをめぐる「違法かどうか」の話は、性質の違う3つが混ざっています。

層①は、手続きを踏めば合法になります。許可を取ればいい。
層②は、手続きでは解決できません。 法律が行為そのものを禁止しています。
層③は、そもそも法律の話ではありません。 契約と規約の問題です。
混ざったまま考えると「グレー」という言葉に着地しますが、分けると、自分がどこにいるかは1分で分かります。
層①:許可を取れば、合法です
中古品を仕入れて売るなら、古物商許可が要ります。
無許可で営業した場合、古物営業法では3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定められています(第31条。複数の解説が一致しています。条文はe-Gov 法令検索でご確認ください)。
金額を、当サイトの基準に直します。

952個ぶんです。月100個のペースなら、9.5ヶ月ぶんの利益が消えます。
そして許可を取る費用は19,000円でした。

18.1個で取れるものを取らずに、952個ぶんのリスクを負う。 差は52.6倍です。
古物商の記事に申請の手順を書きました。新品だけを扱うなら、この許可は要りません。
層②:手続きでは解決できないもの
チケットは、性質が違います。
チケット不正転売禁止法(令和元年6月14日施行)では、「特定興行入場券」の不正転売が禁止されています。
消費者庁の解説によると、「特定興行入場券」に当たるには3つの要件をすべて満たす必要があります。

そして「不正転売」は、こう定義されています。
興行主に事前の同意を得ずに反復継続の意思をもって行う有償譲渡であって、興行主等の販売価格を超える価格で特定興行入場券を転売すること
(消費者庁の解説)
「定価を超えたら全部アウト」ではありません。 3要件を満たすチケットを、反復継続の意思をもって、定価を超えて売った場合です。
罰則は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方(同解説)。ここでも952個ぶんです。
ここには許可という逃げ道がありません。 層①とは、根本的に違います。
層③:規約は、法律ではありません
メーカーが「転売禁止」と書いている。プラットフォームの規約に「無断での販売を禁止」とある。
これらは法律ではありません。 破っても罰金や拘禁刑にはなりません。
ただし、別の形で止められます。

出品が取り下げられ、アカウントが止まることがあります。アカウント停止の記事で出したとおり、止まっている1日は3,360円。30日で100,800円です。
罰金100万円と比べれば小さい。それでも、無視できる額ではありません。
そして層③は相手の判断で変わります。 法律のように条文で確認できないので、規約を読むしかないという点が、いちばん面倒なところです。
たしかに、批判はされます
ここで、あなたはこう思われたはずです。
「手続きが合法でも、世間からは転売ヤーだと言われる」
言われます。そこは変わりません。
ただ、批判されているのは買い占めと価格のほうです。発売直後に全部買って、定価の3倍で売る。ニュースになるのはこの形です。
法律が見ているのは手続きで、世間が見ているのは供給を止めたかどうか。別の物差しです。

両方を満たす方法はあります。 在庫がある商品を、必要な人に、相場で届ける。これは供給を止めていません。
批判を避ける方法と、違法を避ける方法は違うということだけ、分けて持っておいてください。
説明できなかったのが、いちばん嫌でした
正直に書くと、母に言われたとき、いちばん嫌だったのは言葉に詰まった自分でした。
やましいことをしている自覚はありません。それでも、「大丈夫です」以上のことが言えなかった。
調べて3層に分けてからは、説明が30秒で済むようになりました。 中古を扱うので許可を取っていること。チケットは扱わないこと。規約は読んでいること。
後ろめたさは、知識の不足でした。
やましさがあるから言葉に詰まったのではなく、線がどこにあるかを知らなかったから詰まっていた。順番が逆でした。
想像してみてください
次に同じことを聞かれた日です。
あなたは3つのことを順に答えます。 中古を扱うので古物商許可を取っていること。許可番号は名刺にもサイトにも載っていること。チケットは法律で禁止されているので扱わないこと。
相手の顔から、心配が消えます。
そして自分の中でも、扱っていい物と扱わない物の線がはっきりしています。 迷う時間がないので、店で棚を見るときも速い。
いま、その逆をやっています。「大丈夫です」としか言えず、自分でも線がどこにあるか分かっていないほうです。
手続きを整える3手順


この記事のまとめ
- 法律が見ているのは、売った物でも価格でもなく手続き
- 層①許可が要るもの(古物)=取れば合法。無許可は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
- 100万円=952個ぶん。古物商許可19,000円=18.1個ぶん。差は52.6倍
- 層②法律で禁止されているもの(チケット不正転売)=許可という逃げ道がない。3要件を満たす券を反復継続の意思で定価超えが対象
- 層③規約=法律ではないが、アカウント停止で1日3,360円が止まる
- 批判を避ける方法と、違法を避ける方法は別
許可を取ると、扱える単価が上がります
古物商許可を取る理由は、罰金を避けるためだけではありません。扱える商品が変わります。
中古の記事で書いたとおり、中古は単価を上げやすい(新品は相乗りで価格が揃います)。売値8,000円の中古なら、1個の手残りは5,280円です。
そして単価が上がると、価格改定の1回が大きくなります。 3,000円の商品で50円下げ遅れるのと、8,000円の商品で200円下げ遅れるのでは、金額が違います。
マカド!は価格改定を自動で回します。月4,980円ですが、中古8,000円の商品なら1個売れた時点で回収できます。
最大2ヶ月は無料なので、許可が下りるまでの期間(おおむね40日前後とされます)を、そのまま試用に充てられます。
今日やることは1つです。自分が扱っている商品を、3つの層のどこに当たるかで分けてください。 全部が層①なら、必要なのは19,000円の手続きだけです。
この記事の計算方法:罰金や停止日数を個数に直すときは、1商品の手残り1,050円(当サイト共通の基準値)で割っています。古物営業法における無許可営業の罰則(3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金・第31条)は複数の解説の記載が一致する内容で、条文はe-Gov 法令検索でご確認いただけます。「特定興行入場券」の3要件、「不正転売」の定義(「興行主に事前の同意を得ずに反復継続の意思をもって行う有償譲渡であって、興行主等の販売価格を超える価格で特定興行入場券を転売すること」)、および罰則(1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はその両方)は消費者庁の解説の記載にもとづきます(制度の概要は文化庁のページ)。2025年6月施行の刑法改正により、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されています。 古物商許可の手数料19,000円と標準処理期間は各都道府県警察の案内にもとづきます。この記事は法令の一般的な説明であり、個別の取引が違法かどうかの判断ではありません。扱う商品ごとの要否は所轄の警察署、法的な判断は弁護士にご確認ください。 各社の規約は変更されることがあります。
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