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返品1件で、次の1.4個がタダ働きになります|服の12.4%は、本の15.4%より高い

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

月の返品が1件でもある方だけ、読んでください。

返品がゼロの方には、この記事の計算は1円も関係ありません。


目次

火曜の朝に、通知が1件

出勤前です。スマホに「返品が開始されました」と出ました。

またか、と思いました。

先月も1件ありました。その前の月も1件でした。月に100個売って1件か2件。率にすれば1〜2%です。

だから毎回、同じように閉じます。「誤差の範囲」と口の中で言って、電車に乗ります。

月末になると、通帳を開きます。画面の利益は10万円を超えています。通帳は、そこまで増えていません。

差がどこに消えたのか、ずっと分かりませんでした。返品の通知を、一度も開いて計算したことがなかったからです。


「2%」は、何に対する2%ですか

ここが分かれ目です。

返品率は、売れた個数に対する率で出てきます。100個売れて2件返品なら2%。この数字だけを見ていると、残り98個は無事だから誤差だ、という読み方になります。

利益に対する率は、まったく別の数字です。

返品1件で消えるのは、その1個の利益だけではありません。返ってこない手数料があり、状態によっては仕入れ値そのものが消えます。

そして、その合計は1個の利益より大きいことがあります。

まず、1件あたりの内訳を1円ずつ並べます。


返品1件で動くお金を、1円ずつ並べます

当サイトの基準で計算します。売値3,000円・仕入れ1,200円の文房具です。手数料は下の前提で置いています(率はカテゴリーで変わるので、ご自身の商品はAmazon公式の料金ページでご確認ください)。

返品1件で動くお金
返品1件で動くお金

戻ってくるのは販売手数料です。ただし全額ではありません。

Amazonは返金の際、いったん受け取った販売手数料を返した上で、500円または販売手数料の10%のどちらか小さいほうを返金処理手数料として差し引きます(公式の料金ページの記載。2026年9月時点)。3,000円の商品なら46円です。

戻ってこないのは、配送代行手数料288円です。 商品はすでに倉庫から出て、購入者のところへ届いています。その配送は実際に行われているので、返金されません。

ここまでで334円。まだ商品の話をしていません。


分かれ道は、ひとつだけです

返品された商品は、Amazonの倉庫に戻ります。そこで判定が入ります。

再販可能(そのまま次の人に売れる)か、販売不可(出品できない状態)か。

この判定で、1件の重さが8倍変わります。

再販できた場合と、できなかった場合
再販できた場合と、できなかった場合

再販できた場合、仕入れ1,200円は生きています。次に売れれば利益も戻ります。純粋に消えるのは334円です。

ただし、もう一度売るための作業は最初からやり直しです。当サイトの基準では1個20分。その20分は、どこからも返ってきません。

販売不可で戻った場合は、話が変わります。仕入れ1,200円が消え、その商品を倉庫から出すための返送または所有権の放棄(廃棄)に、1点あたりの手数料がかかります(金額はサイズと重量で変わります。最新はセラーセントラルの料金表でご確認ください。ここでは50円と仮定します)。

合わせて2,634円。手残り1,050円の2.51個ぶんです。


平均すると、1件1,484円です

再販できるか、できないか。これは商品と購入者の扱いで決まるので、あらかじめ選べません。

半々と置いて平均を出します。

返品1件は、何個ぶんの利益か
返品1件は、何個ぶんの利益か

1件1,484円。1.41個ぶんです。

言い方を変えます。返品が1件来たら、次に売る1.4個は、その穴を埋めるために売ることになります。 その1.4個ぶんの作業時間28分も、利益にはなりません。

ここで最初の「2%は誤差」に戻ります。

月100個・返品2件なら、消えるのは2,968円。利益105,000円に対して2.8%です。 返品率2%が、利益では2.8%になって出てきます。

率は、そのままの大きさでは効きません。


返品率は、販売手数料に換算できます

ここからが、この記事でいちばん使える部分です。

1個あたりで見ると、返品率が1ポイント上がるごとに手残りは14.84円減ります(1,484円 ÷ 100個)。

一方、販売手数料が1ポイント上がると、3,000円の商品では30円減ります。

割り算をします。

返品率を、販売手数料に直す
返品率を、販売手数料に直す

返品率2ポイントは、販売手数料1ポイントとほぼ同じ重さです。

この換算は、売値3,000円・仕入れ1,200円・再販可能50%という当サイトの前提で出したものです。前提が変われば係数も変わります(全部再販できるなら0.11ポイント、全部廃棄なら0.88ポイント)。それでも、返品率が手数料率と同じ土俵に乗るという構造は変わりません。

返品率別に、1個あたりの実効手残りを並べます。

返品率別・1個あたりの実効手残り
返品率別・1個あたりの実効手残り

返品率25%の世界では、1個1,050円のはずの手残りが679円になります。同じ商品を、同じ時間かけて売っているのにです。


服の12.4%は、本の15.4%より高くなります

ここで、カテゴリー選びの話につながります。

多くの人は販売手数料率でカテゴリーを比べます。公式の料金ページでは、本・DVD・ミュージックが15.4%、エレクトロニクスが5〜8.4%、服&ファッション小物が5〜12.4%です(2026年9月時点)。

数字だけ見れば、本は不利に見えます。

返品率を足します。返品率の業界平均は、Amazon公式が出しているものではありません。ここではリベシティの解説記事が挙げている業界平均(アパレル20〜30%、靴15〜25%、電子機器10〜15%、化粧品5〜10%、食品・日用品3〜5%、書籍2〜5%)を、その中央値で使います。出所が二次情報である点は、そのまま受け取ってください。

表面の手数料率と、返品を足した実効率
表面の手数料率と、返品を足した実効率

服&ファッション小物は、表面12.4%が実効24.7%になります。 本の15.4%(実効17.1%)を、7.6ポイント上回ります。

エレクトロニクスは表面8.4%で、本より7ポイント安く見えます。返品を足すと実効14.5%。差は2.6ポイントまで縮みます。

手数料率の表だけでカテゴリーを決めると、この部分が抜け落ちます。安いほうを選んだつもりで、返品率で返されます。

あなたが扱っているカテゴリーの実効率は、上の表の換算(返品率 × 0.49)で出せます。表面の率に足すだけです。


たしかに、返品そのものは減らせません

ここまで読んで、こう思われたはずです。

「計算は分かった。でも返品するのは購入者で、こちらには止めようがない。」

そのとおりです。返品理由の多くは出品者の手の外にあります。サイズが合わない、思っていたのと違う、気が変わった。どれも、あなたが変えられるものではありません。

止められるのは、返品ではありません。戻ってきた1点の行き先です。

販売不可で戻った商品を倉庫から引き取ると、それは自宅在庫になります。押入れの段ボールに入ります。

そして、そこで止まります。


捨てられない1,200円

引き取った1点を前にして、手が止まります。

捨てれば、数字の上では片づきます。 損失は確定して、帳簿はきれいになります。

でも、その1,200円は自分が現金で払ったものです。開封されただけで、物はほとんど新品に見えます。捨てるのは、どうしても惜しい。

だから押入れに置きます。「あとで中古で出そう」と思いながら。

3ヶ月後、それが何だったかを思い出せません。

いくらで仕入れたのかも、いつ戻ってきたのかも分かりません。棚卸しの時期に段ボールを開けて、「これ、いくらだっけ」とまた手が止まります。

こうして、返品1件の2,634円は確定した損にもならず、資産にもならないまま、家の中に積み上がります。


想像してみてください

来月の棚卸しの日です。

押入れの段ボールを開ける必要がありません。スマホを開くと、戻ってきた在庫が1点ずつ、写真つきで並んでいます。 仕入れ値も、戻ってきた日も、置き場所も入っています。

そのうち1点に、通知が来ています。設定した金額まで相場が上がりました。

その1点を中古で出します。1,200円で消えるはずだったものが、売値になって戻ります。返品1件ぶんの穴が、そこで半分埋まります。

棚卸しの合計額は、エクスポートを押せば出ます。日曜は、まるまる空いています。

いま、その逆をやっています。段ボールを開けて、1点ずつ「いくらだっけ」と思い出そうとしているほうです。


返品通知が来た日に、やることは3つです

返品通知が来た日の3手順
返品通知が来た日の3手順

あなたの返品率そのものは、セラーセントラルの返品レポートで出せます。業界平均を当てる必要はありません。

このうち3番目が抜けると、期末の在庫額が合わなくなります。

仕入れた商品は、売れて初めて経費になります。売れずに手元にあるものは、年末時点で在庫として計上します(詳しくは確定申告の記事に書きました)。

返品で戻って押入れに入った1点も、その在庫です。 帳簿から消えているのに家にある、という状態が一番やっかいです。


見方を1つ変えるだけです

返品を率で見るか、個数で見るか
返品を率で見るか、個数で見るか

右の見方に変えると、返品通知を開いたときにやることが決まります。再販できたのか、できなかったのか。 それだけを確認すればいい。

334円か、2,634円か。8倍違うものを、同じ「1件」で数えていたのが、これまででした。


この記事のまとめ

  • 返品1件の純減は、再販できて334円・廃棄なら2,634円。平均1,484円=1.41個ぶん
  • 返ってこないのは配送代行手数料288円と返金処理手数料46円(500円か販売手数料の10%の小さいほう)
  • 返品率が1ポイント上がると、1個あたりの手残りは14.84円減る
  • 返品率2ポイント ≒ 販売手数料1ポイント(売値3,000円・再販可50%の前提)
  • 服&ファッション小物は実効24.7%で、本の15.4%(実効17.1%)より高い
  • 止められるのは返品ではなく、戻ってきた1点の行き先

今日、戻ってきた1点を登録してください

返品を止める方法は、この記事にはありません。そんなものは存在しないからです。

あるのは、戻ってきた在庫を押入れで死なせないことだけです。

在庫管理くんは、ASINを入れると商品画像つきで登録され、仕入れ値・保管場所・在庫額が自動で記録されます。 設定した金額まで相場が上がれば通知が来ます。棚卸し用のエクスポートもあります。

月1,980円。当サイトの基準では、回収に必要なのは月2個です。返品でいえば、1.3件ぶんにあたります。

14日間は無料です。今日戻ってきた1点と、押入れにすでに入っている分を入れてください。2週間後には、家の中にいくら寝ているかが金額で出ます。

そこが出れば、次に「返品が開始されました」と来たときに、閉じる前にやることが分かります。

在庫管理くんを14日間無料で試す(以降 月1,980円)

この記事の計算方法:返品1件の純減 = 消えた利益 + 返金処理手数料 + 配送代行手数料(+再販不可の場合は仕入れ値と返送/廃棄手数料)。1個あたりの目減り = 返品1件の純減 ÷ 100個 × 返品率(ポイント)。手数料率への換算 = 1ポイントあたりの目減り ÷(売値 × 1%)。売値3,000円・仕入れ1,200円・手残り1,050円・1個20分・時給3,150円は当サイト共通の基準値で、再販可能率50%・返送/廃棄手数料50円は当サイトが置いた仮定です。販売手数料(本・DVD・ミュージック15.4%、エレクトロニクス5〜8.4%、服&ファッション小物5〜12.4%、ホーム&キッチン5〜15.4%、食品&飲料5〜10.4%)、FBA配送代行手数料(小型252〜288円)、返金処理手数料(500円または販売手数料の10%の小さいほう)はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。返品率の業界平均はリベシティの解説記事の記載であり、Amazon公式の公表値ではありません。返送/所有権の放棄の手数料は商品のサイズ・重量で変わります。料金は変更されることがあります。最新の情報は公式ページおよびセラーセントラルでご確認ください。税務上の判断は税理士または税務署にご確認ください。

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