電卓を持って、目標を1つ書きます。「月10万円」。
次に必要な資金を調べます。検索すると、いろいろ出てきます。「せどりは30万円あれば始められる」「10万円で十分」「50万円は用意しないと厳しい」
3倍から5倍の幅で割れています。
どれも間違いではありません。前提が書かれていないだけです。同じ月10万円でも、必要な資金は57,600円から345,600円まで、6倍の幅があります。
決めているのは、資金の額そのものではありません。
この記事では、必要資金を1行で出す式を書きます。入れる数字は3つだけです。そして、あなたがいま高単価の商品を見ているなら、その方向では資金は減らないことも数字で出します。あなたが本当に見るべき数字は、別のところにあります。
月10万円は、月96個です
最初に個数へ直します。当サイト共通の基準値で、仕入1,200円・売値3,000円・手残り1,050円です。

100,000円 ÷ 1,050円 = 95.24。切り上げて96個。
96個 × 仕入1,200円 = 必要資金115,200円。回転30日なら、この96個を常に持ち続けることになります。
作業は月32時間、週7.4時間です。
必要資金 = 目標額 ÷ 1個の手残り × 仕入単価 ×(回転日数 ÷ 30)
入れる数字は、目標額・仕入単価・回転日数の3つだけです。
単価を上げても、資金は減りません
ここが、いちばん誤解されているところだと思います。
「1個の利益が大きい商品を扱えば、少ない資金で済む」。そう考えて、高単価の棚を見ている人は多いはずです。目標額を月10万円で固定して、単価だけ動かしてみます。

仕入400円だと447個で178,800円。仕入3,000円だと35個で105,000円。
単価を7.5倍にして、必要資金は1.70倍しか動きませんでした。
一方で、右端の列を見てください。週34.7時間が、週2.7時間になっています。12.9倍です。
単価が効くのは、資金ではありませんでした。時間のほうです。
理由は、倍率が1に近づくからです
なぜこうなるのか、式で見ると分かります。
必要資金 = 目標額 ×(仕入単価 ÷ 1個の手残り)×(回転日数 ÷ 30)
かっこの中の「仕入単価 ÷ 1個の手残り」だけが、単価で動く部分です。

仕入400円だと1.79。1,200円で1.14。3,000円だと1.02です。
単価が上がるほど、手残りが単価に近づきます。だから倍率は1.0に寄っていって、それ以上は下がりません。
つまり、回転30日なら必要資金は目標額の1.0倍から1.8倍のあいだにしかならないということです。
月10万円を稼ぐのに必要な資金は、だいたい10万円ぶん。 覚え方としては、これで足ります。
目標額を動かしても、比率は変わりません。

月3万円なら34,800円。月30万円なら343,200円。どの行でも、目標額の1.14〜1.16倍です。
資金を半分にできるのは、回転のほうです
では、必要資金を減らしたいときは何を見るか。3つ目の数字です。

同じ月10万円・同じ96個・同じ仕入1,200円で、回転15日なら57,600円。回転90日なら345,600円。
6倍です。 個数も単価も、1つも変えていません。
検索して出てくる「せどりには30万円必要」という数字は、回転90日を前提にすると、ちょうどこのあたりに来ます。間違いではなく、前提が違うだけでした。回転日数の考え方は別の記事にまとめてあります。
2つのやり方を並べます。

単価を1,200円から3,000円に上げても、必要資金は115,200円が105,000円になるだけ。0.91倍です。
回転を30日から15日にすると、115,200円が57,600円。0.50倍。ちょうど半分になります。
効く先が違います。時間が足りないなら単価。資金が足りないなら回転。 あなたにいま足りないほうを選んでください。
その回転日数、測っていますか
ここまでの式には、あなたが自分で測らないと入らない数字が1つあります。回転日数です。
単価はレシートを見れば分かります。手残りは計算で出ます。目標額は自分で決めます。回転日数だけは、実績を見ないと出ません。
仕入れ日を1件ずつ追う必要はありません。2つの数字で出ます。

回転日数 = 平均の在庫点数 ÷ 月に売れた点数 × 30
在庫が常に96点で、月に96個売れているなら30日。在庫が192点で月96個なら60日です。どちらもセラーセントラルのレポートに載っています。
ここで「思っていたより長い」となる人は多いはずです。感覚の「だいたい1ヶ月」が、測ると45日や60日になっていることがあります。
そして60日だったなら、あなたに必要な資金は115,200円ではなく230,400円でした。
「高単価は、やっぱり怖い」
ここで手が止まる人が多いはずです。
高単価の棚に移ると、1個外したときの金額が変わります。1,200円の商品なら1,200円ですが、3,000円だと3,000円です。しかも売れ残ったときの回転日数も、高単価のほうが延びやすい。
「3,000円が35個で105,000円。全部売れなかったらどうするんだ」
そう考えて、結局1,200円の棚に戻る。この判断自体は、間違っていません。
ただ、いま見てきたとおり、高単価に行っても資金は減りません。 減るのは時間です。だから、あなたが「資金が足りない」という理由で高単価を選んでいるなら、目的と手段が合っていないことになります。
資金が足りないなら、見るのは回転日数のほうです。
想像してみてください
来月の月末です。
仕入れた96個は、今月中に売り切れました。回転は15日。月の途中で一度、棚が空いて、そこにもう一度仕入れを入れています。
口座を見ると、57,600円しか使っていません。 残りは手をつけないまま置いてあります。
手残りは100,800円。作業は週7.4時間。先月とまったく同じ個数、まったく同じ時間です。
いま、あなたはその差の57,600円を「もっと資金が要る」と思って貯めようとしています。貯めなくても、回転が15日になれば同じ額が浮きます。
回転が延びると、資金が2倍要ります
逆も書いておきます。

回転が30日から60日に延びると、必要資金は115,200円から230,400円になります。
売れ残りが増えて回転が延びるというのは、必要な資金が比例して増えるということでした。
カートを取れずに30日ぶん寝かせた値段が、115,200円です。目標額そのものと同じ額になります。
正直に書いておくこと
3つあります。
1つ目。回転日数は、ツールだけでは動きません。 大きいのは商品選びです。ランキングと出品者数で、売れるまでの日数はだいたい決まります。値付けで動かせるのは、その一部です。
2つ目。高単価ほど1回の外れが大きくなります。 上の表で仕入3,000円が「週2.7時間」と出ていますが、35個のうち1個外すと2,930円ぶんの手残りが消えます。96個のうち1個なら1,050円です。
3つ目。FBA在庫保管手数料と返品費用は含めていません。 回転が延びると保管料も比例して増えるので、実際の差は表より大きくなります。

2番目でつまずく人が多いところです。単価も個数も自分で決められますが、回転日数は測らないと分かりません。
めざせ、回転30日
あなたの必要資金は、この3つを掛けるだけで出ます。
- 月10万円は月96個・必要資金115,200円(仕入1,200円・回転30日)
- 必要資金 = 目標額 ÷ 手残り × 仕入単価 ×(回転日数 ÷ 30)
- 単価を7.5倍にしても資金は1.70倍しか動かない。動くのは時間で12.9倍
- 倍率は1.02〜1.79にしか収まらない → 必要資金は目標額の1.0〜1.8倍
- 資金を半分にできるのは回転のほう。30日→15日で0.50倍
- 逆に30日→60日で2倍(115,200円 → 230,400円)
マカド!は価格改定を自動でやるツールで、月額4,980円です。手残り1,050円なら月5個で元が取れます。96個のうちの5個です。
回転日数は商品選びでだいたい決まりますが、カートを取れないまま置かれている期間は、値付けの側の問題です。そこが30日延びると、必要な資金が115,200円増えます。登録月と翌月は0円なので、2ヶ月動かして、自分の回転日数が実際に何日なのかを先に見てください。
月10万円の作業量のほうは月10万円の記事へ。資金が5万円しかない方は資金5万円の記事にまとめてあります。
この記事の計算方法:必要資金 = 目標額 ÷ 1個の手残り(切り上げ)× 仕入単価 ×(回転日数 ÷ 30)。手残り = 売値 − 仕入値 − 販売手数料 − FBA配送代行手数料。販売手数料率(文房具・オフィス用品は750円以下5%・超15.4%、最低販売手数料30円)とFBA配送代行手数料はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。販売手数料は税抜表示、FBA配送代行手数料は税込です。「売値は仕入値の2.5倍」「1個20分」「1ヶ月=4.3週」「FBA区分は仕入1,500円以下が小型288円、1,800円以上が標準30cm以下415円」は当サイトが置いた仮定で、実際の区分は梱包済みの3辺合計と重量で決まります。手残り1,050円・時給3,150円・1個20分・月28個という分岐点は当サイト共通の基準値です。同じ倍率で売れる商品が単価帯を問わず見つかるとは限りません。 回転日数は商品選びで決まる部分が大きく、値付けで動かせるのは一部です。高単価ほど1回の外れが大きくなること、FBA在庫保管手数料・返品費用も含めていません。料金は変更されることがあります。最新の情報は公式ページとFBA料金シミュレーターでご確認ください。
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