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電脳せどりでセラーリサーチをしている方に向けて書いています。
見つけ方の話ではありません。見つけたあとに残るかの話です。
土曜の朝、30件見て1件も通らなかった
ブックマークが3つ並んでいます。儲かっているセラーのストアページです。
土曜の朝、コーヒーを淹れてから開くのが習慣になっていました。出品一覧を上から順に、ASINをコピーして相場を見ていきます。
30件見て、1件も通りませんでした。
3ヶ月前は、同じ30件で5件は取れていました。同じセラー、同じやり方です。
「この人、仕入れ先を変えたのかな」と思いました。そのときは、そう思っていました。
減っていたのは、その人の商品ではありませんでした。
私が乗ったからです。
そして私と同じことをしている人が、他にも何人かいました。同じセラーを、同じようにブックマークしていた人たちです。
あなたが乗ると、取り分は1/(N+1)になります
セラーリサーチが解いている問題は1つだけです。「どの商品を売るか」
解いていない問題があります。「その商品で、あなたが何個売れるか」
同じ商品ページに出品者がN人いて、あなたが加わるとN+1人になります。カートは出品者のあいだで回るので、条件が同じなら取り分は1/(N+1)です。
当サイトの基準は月28個なので、逆算するとこうなります。
| 既存の出品者 | あなたは | あなたの取り分 | 必要なその商品の月販 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 2人目 | 50.0% | 56個 |
| 2人 | 3人目 | 33.3% | 84個 |
| 4人 | 5人目 | 20.0% | 140個 |
| 9人 | 10人目 | 10.0% | 280個 |
| 17人 | 18人目 | 5.6% | 504個 |

出品者が4人いる商品なら、月販140個ないと月28個に届きません。
一覧を上から見ているとき、私が見ていたのは価格差だけでした。出品者の数は見ていましたが、そこから何個取れるかを計算したことは一度もありません。
手残りは、あなた自身が削ります
もう1つあります。乗ると価格が下がる方向に力が働きます。
出品者が1人増えると、既存の人の取り分は減ります。在庫を吐くために値段を下げる理由が、全員に生まれます。
そして手残りは、値下がりに対して増幅されて減ります。
増幅率 = 売値 × (1 − 手数料率) ÷ 手残り
基準の商品(売値3,000円・手残り1,050円)だと、増幅率は2.417倍です。
| 売値の下落 | 売値 | 手残り | 減り方 |
|---|---|---|---|
| 0% | 3,000円 | 1,050円 | — |
| 10% | 2,700円 | 796円 | −24.2% |
| 20% | 2,400円 | 542円 | −48.3% |
| 27% | 2,190円 | 365円 | 下限367.5円割れ |
| 41% | 1,770円 | 9円 | ほぼ赤字 |

売値が27%下がると、その商品は「何個売っても時給3,150円に届かない」商品になります(薄利多売の下限367.5円を割るためです)。
41%で赤字です。
取り分が減るのと、手残りが減るのが、同時に起きます。

楽なのは、探さなくていいからでした
正直に書くと、セラーリサーチを続けていた理由は成果ではありませんでした。
探さなくていいからです。
自分で条件を決めて、店やサイトを回って、外れを引く。それをしなくていい。すでに誰かが当てた商品の一覧が、目の前にあります。
一方で、8ヶ月やって取れる件数は減り続けていました。それも分かっていました。
追えば追うほど、その商品が痩せていく。 自分が痩せさせている側だと認めるのが、いちばん面倒でした。
認めなければ、来週も同じブックマークを開くだけで済みます。
判定式は1つで足ります
やることは、一覧を見る目的を変えるだけでした。
その商品の月販 ÷ (出品者数 + 1) ≧ 28個

実際に当てはめると、こうなります。
| 商品 | 月販 | 既存の出品者 | あなたの取り分 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| セラーAの上位商品 | 60個 | 3人 | 15.0個 | × 届かない |
| よく見る定番 | 120個 | 7人 | 15.0個 | × 届かない |
| 回転の速い消耗品 | 150個 | 4人 | 30.0個 | ○ 通る |
| ニッチな型番品 | 40個 | 1人 | 20.0個 | × 届かない |
| 人気だが激戦 | 400個 | 18人 | 21.1個 | × 届かない |

月販400個の人気商品でも、出品者が18人なら通りません。
逆に、月販150個で出品者4人なら通ります。人気の絶対量ではなく、割り算の結果が判定材料でした。
「セラーリサーチが無駄」ではありません
反論しておきます。「では、どうやって商品を見つけるのか」
セラーリサーチはやめなくていいと思います。見つける手段としては速いからです。当サイトの電脳せどりのツール記事でも、探す時間を削るのは有効だと計算しました。
問題は、見つけたものをそのまま仕入れることです。
| セラーリサーチが解くこと | 解かないこと |
|---|---|
| どの商品が売れているか | あなたが何個取れるか |
| 相場がいくらか | 乗ったあと相場がどうなるか |
| 誰が売っているか | あと何人乗ってくるか |

右の列を埋めるのが、さっきの割り算です。
そしてこの記事のやり方には、はっきりした弱点があります。 カートが均等に回るという前提は、実際には成り立ちません。価格・配送・評価で偏ります。あくまで上限の目安として使ってください。
出品者数と月販は、日によって動きます。1回見て終わりにせず、仕入れる直前にもう一度見るほうが確実です。
3ヶ月後の土曜を、想像してみてください
同じ時間、同じコーヒーです。ブックマークも3つのままです。
あなたは一覧を上から見ません。 開いてすぐ、出品者の数で絞ります。
4人以下の商品だけを残します。30件のうち9件でした。
その9件をバーコードで読んで、手取りを見ます。手残りが1,050円を超えたのは4件。
最後に月販を確認します。140個を超えていたのは2件でした。
30件が2件になります。
3ヶ月前は30件を全部調べて、1件も通りませんでした。いまは同じ30件から、9件まで先に落としています。

調べる時間は3分の1になり、通る件数は0件から2件になっています。
あなたが変えたのは、一覧を見る順番だけです。
いま、その逆をやっています。
3人のストアページを開いて、上から30件、ASINをコピーして相場を見る。 それを8ヶ月続けました。
来週の土曜も、たぶん同じことをします。探さなくていいのが、楽だからです。
止めるのに必要なのは根性ではありません。割り算を1つ、仕入れる前にやることだけです。
電脳せどりで見る順番

- 出品者の数で絞る(月28個なら4人以下)
- 1個の手残りを見る(バーコードから想定手取り)
- 月販 ÷ (出品者数+1) が28個を超えるか
価格差は、この3つのどこにも出てきません。
価格差は「その商品が候補かどうか」を教えますが、あなたが何個取れるかは教えません。 そこを埋めないまま仕入れると、乗った瞬間に相場を自分で下げることになります。
よくある質問
Q. セラーリサーチはやめるべきですか。
やめなくていいと思います。見つける手段としては速いからです。ただし見つけたものをそのまま仕入れると、取り分と手残りが同時に削れます。
Q. 取り分はどう決まりますか。
出品者がN人いるところに乗るとN+1人になり、条件が同じなら取り分は1/(N+1)です。月28個なら、必要な月販は28 × (出品者数+1)個になります。
Q. 出品者4人だと何個必要ですか。
月販140個です。9人なら280個、17人なら504個。人気の絶対量ではなく割り算の結果で決まります。
Q. 乗ると価格は下がりますか。
下がる方向に力が働きます。既存の出品者の取り分が減るので、在庫を吐く理由が全員に生まれるからです。
Q. 価格が下がるとどれくらい効きますか。
増幅率2.417倍です(売値3,000円・手残り1,050円のとき)。27%下がると薄利多売の下限367.5円を割り、41%で赤字になります。
Q. カートは本当に均等に回りますか。
回りません。価格・配送・評価で偏ります。この計算は上限の目安として使ってください。
Q. 月販はどう調べますか。
ランキングの推移から推定するツールがあります。日によって動くので、仕入れる直前にもう一度確認してください。
Q. 手残りはどう調べますか。
バーコードを読むと、販売手数料を引いた想定手取りが出る無料アプリがあります。
追いかけるのをやめるなら、今です
見る順番を変えるだけです。価格差ではなく、出品者の数から入る。
- あなたが乗ると出品者はN+1人。取り分は1/(N+1)
- 月28個に必要な月販は 28 × (出品者数+1)個。4人なら140個、9人なら280個
- 同時に価格が下がり、手残りは増幅率2.417倍で削れます
- 27%下がると下限367.5円割れ、41%で赤字
- 判定式は1つ。月販 ÷ (出品者数+1) ≧ 28個
- ただしカートは均等に回りません。 上限の目安として使ってください
マカド!の無料アプリ「マカド!リサーチ」は、契約不要・登録不要です。バーコードを読むと、販売手数料を引いた想定手取りがその場で出ます。判定式の2番目が、これで埋まります。
来週の土曜、一覧を開く前に決めてください。出品者4人以下だけ見る、と決めるだけで、30件が9件になります。
月28個を超えている方は、本体も判定の範囲に入ります。相乗りの商品は価格改定の追従がそのまま取り分の防衛になります。判定は仕入れ数別の記事へ。
この記事の計算方法:手残り = 売値 − 仕入値 − 販売手数料 − FBA配送代行手数料。増幅率 = 売値 × (1 − 手数料率) ÷ 手残り。販売手数料率(ホーム&キッチンは750円以下5%・超15.4%、最低販売手数料30円)とFBA配送代行手数料はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。販売手数料は税抜表示、FBA配送代行手数料は税込です。FBA区分を「標準・30cm以下・2kg以下・1,000円超415円」として計算しました。売値3,000円・仕入1,073円という例示も当サイトが置いた仮定です。月28個・手残り1,050円・時給3,150円・薄利多売の下限367.5円は当サイト共通の基準値です。「カートが出品者のあいだで均等に回る」という前提は成り立ちません。 実際は価格・配送方法・アカウントの評価などで偏るため、この記事の取り分は上限の目安です。出品者数と月間販売数は日々変動し、月間販売数はランキング推移からの推定値になります。FBA在庫保管手数料・返品費用は含めていません。料金は変更されることがあります。最新の情報は公式ページとFBA料金シミュレーターでご確認ください。
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