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確定申告を自分でやっている方に向けて書いています。
税理士に丸投げしている方には、この記事は必要ありません。
「まあ、これくらいだろう」
3月12日の夜でした。
会計ソフトを開いて、上から順に入力していきます。売上、仕入、経費。ここまでは領収書とCSVがあるので、機械的に進みました。
そして「期末商品棚卸高」の欄で、手が止まりました。
12月31日の時点で、押入れに何が残っていたか。思い出せません。
いや、正確には「思い出そうとしていない」のかもしれない、と思いました。あの日、数えていないからです。
しばらく画面を見て、去年の申告書を開きました。去年もこの欄で止まって、結局こう入れています。
「まあ、これくらいだろう。」
その数字をもう一度打ち込みながら、居心地の悪さがありました。他の欄は全部、根拠のある数字です。この欄だけが、感覚で書かれている。
税務署に聞かれたら、何と答えるんだろう。 そう思いながら、確定申告ボタンを押しました。
「一晩がんばれば済む」が、毎年の結論でした
経理ツールは、前から知っていました。調べたこともあります。
| ツール | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| インボイスメモリー | 2,980円 | 35,760円 |
| AmaTaxCalc(継続) | 1,000円 | 12,000円 |
| マカド! | 4,980円 | 59,760円 |
| 在庫管理くん | 1,980円 | 23,760円 |
| 合計 | 10,940円 | 131,280円 |

年13万円。
それを見るたびに、こう考えてきました。「3月に一晩がんばれば済む話に、13万円は出せない。」
実際、一晩でなんとかなっていました。日付が変わるころには終わっていたし、還付金も戻ってきました。
だから毎年、同じ判断をしてきました。
その判断が間違っていることに、去年の棚卸高の欄で気づきかけて、そのまま蓋をしました。
4つのうち、3つは3月に作れません
蓋をした部分を開けます。この4つは、担当している工程が全部違います。
| ツール | 何を用意するか | 確定申告のどこで使うか |
|---|---|---|
| インボイスメモリー | 仕入れの領収書 | 保存義務(電子取引) |
| AmaTaxCalc | 8%と10%を分けた売上 | 消費税の申告 |
| マカド! | 手数料を引いた純利益 | 損益計算書 |
| 在庫管理くん | 期末の在庫額 | 貸借対照表・原価の確定 |

そして重要なのは、こちらです。3月に、さかのぼって作れるか。
| ツール | 3月に取り返せるか | 理由 |
|---|---|---|
| インボイスメモリー | 取り返せる | ECサイトの購入履歴は残っている |
| AmaTaxCalc | 取り返せない | 設定していない過去の売上は10%のまま |
| マカド! | 取り返せない | 仕入値を出品時に入れる設計。記録がなければ入らない |
| 在庫管理くん | 取り返せない | 12月31日の在庫は、3月には存在しない |

1つだけです。
「まとめてやればいい」が成り立つのは、領収書だけでした。残り3つは、金額の問題ではありません。年が明けた時点で、材料が消えています。
12月31日の在庫は、3月には存在しません
いちばんはっきりしているのが、冒頭で止まったあの欄です。
期末商品棚卸高は、12月31日時点で売れ残っていた在庫の金額です。
3月にできることは何か。押入れを開けて、いま残っているものを数えることだけです。でもそれは3月の在庫であって、12月31日の在庫ではありません。
その3ヶ月で、売れた分もあります。仕入れた分もあります。遡って再現する方法がありません。
だから毎年、「まあ、これくらいだろう」になります。
そして、ここが効いてきます。青色申告特別控除65万円は、貸借対照表の添付が要件です。在庫額はそこに載る数字です。
課税所得195万円以下なら、この控除の節税額は97,500円。手残り1,050円の商品93個ぶんにあたります。
93個を仕入れて売るのと、同じ金額です。 それが、感覚で書いた1つの欄の上に乗っています。
AmaTaxCalcは、設定していない分を救えません
2つ目です。食品やサプリを扱っている方だけの話になります。
Amazonでは商品ごとに商品タックスコードを設定します。設定していない商品は、10%として記録されます。
推薦者コメントに、こう書かれていました。
過去に登録した商品はずっと10%の通常税率が適用されていた状態です。
ツールを入れても、この記録は書き換わりません。 集計するツールであって、過去の売上の税率を直すツールではないからです。
ずれる金額は軽減税率の税抜売上の2%。月30万円売っていれば、毎月6,000円です。
3月に気づいても、その年ぶんは戻りません。直せるのは、設定を直したあとの売上だけです。
マカド!も、仕入値の記録がないと集計できません
3つ目です。
マカド!の販売管理は、仕入・手数料・送料・ポイントを差し引いた純利益を自動集計します。月別・年別のCSVも出ます。
ただし仕入値は、出品するときに自分で入れる設計です。LPにも「商品ごとの仕入や経費はあとから修正できる」とあり、入力されていることが前提になっています。
つまり、去年ぶんの仕入値を入れていなければ、去年の純利益は出てきません。
3月に1年分を手で入れ直すこともできますが、それはこのツールを買う理由が消えるということです。
来年の3月12日を、想像してみてください
同じ夜、同じ画面です。
上から順に入力していって、「期末商品棚卸高」の欄に来ます。
今年は、止まりません。12月31日にCSVを書き出してあるからです。 数字をコピーして貼るだけで、次の欄に進みます。
その数字には根拠があります。何を何個、いくらで仕入れて、12月31日時点で残っていたか。 全部そこに入っています。
税務署に聞かれても、答えられます。
そして申告書を送ったあと、居心地の悪さがありません。 去年感じたあれが、今年はない。
いま、その逆をやっています。
今日も押入れの中身を数えていません。 12月31日は、今年もあと数ヶ月で来ます。
そして年が明けた瞬間に、今年ぶんの在庫額を作る方法は、また消えます。
「3月にがんばる」で取り返せるのは領収書だけでした。残り3つは、待っているあいだに材料が失われていきます。
たしかに、4つ全部は要りません
反論しておきます。年13万円を全部払う必要はありません。
該当しない方には、意味のないものが混ざっています。
| ツール | 要らない人 |
|---|---|
| インボイスメモリー | 店舗仕入れがメイン(紙のレシートは電子保存の対象外) |
| AmaTaxCalc | 食品・サプリを扱っていない、または免税事業者 |
| マカド! | Amazon以外がメイン、まだ小口出品 |
| 在庫管理くん | 全部FBAに送っていて手元在庫がない |

多くの方に該当するのは、1つか2つです。
そして優先順位は、「3月に取り返せないもの」からになります。金額の大小ではありません。
順番は、取り返せない順です
| 順番 | あなたの状態 | 用意するもの | 月額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 手元に在庫がある | 在庫管理くん | 1,980円 |
| 2 | 食品・サプリを扱う課税事業者 | AmaTaxCalc | 継続1,000円 |
| 3 | Amazon大口出品 | マカド! | 4,980円 |
| 4 | 電脳せどりで月114件以上 | インボイスメモリー | 2,980円 |

1番が最優先なのは、いちばん取り返しがつかないからです。
税率区分と純利益は、記録の付け方を変えれば翌月から積み上がります。在庫額だけは、特定の1日(12月31日)にしか作れません。
4番目が最後なのは、3月でもさかのぼって取得できるからです。ただし月114件を超えているなら、手作業のほうが高くつきます。
よくある質問
Q. 3月にまとめてやればいいのでは。
領収書だけは、それで間に合います。 残り3つ(期末在庫額・税率区分・純利益)は、年が明けた時点で材料が消えています。
Q. なぜ期末在庫額が最優先ですか。
12月31日の在庫は、3月には存在しないからです。他の2つは記録の付け方を変えれば翌月から積み上がりますが、在庫額は特定の1日にしか作れません。
Q. 4つ全部で年いくらですか。
月10,940円、年131,280円、必要個数は月11個です。ただし4つ全部が要る人はほとんどいません。
Q. 在庫額が出ないと何が困りますか。
その年の原価が確定しません。青色申告特別控除65万円は貸借対照表の添付が要件なので、そこで止まります。節税額は課税所得195万円以下で97,500円=93個ぶんです。
Q. AmaTaxCalcは過去分も集計できますか。
商品タックスコードを設定していない過去の売上は、10%として記録されています。 ツールを入れても、その記録は書き換わりません。
Q. マカド!の利益集計は去年ぶんも出ますか。
仕入値は出品時に入力する設計です。入力されていなければ、純利益は出てきません。
Q. 領収書は本当に3月でも間に合いますか。
ECサイトの購入履歴が残っていれば、さかのぼって取得できます。ただし月114件を超えているなら、手作業のほうが高くつきます(1件30秒・時給3,150円で計算)。
Q. 税務の判断はどうすればいいですか。
この記事は税務上の助言ではありません。 ご自身の申告に関する判断は、税理士または税務署にご確認ください。
年を越す前に、在庫を数えてください
12月31日は、待ってくれません。
その日にあなたが持っている在庫の金額は、その日にしか記録できません。
- 4つのうち、3月に取り返せるのは領収書だけ
- 期末在庫額・税率区分・純利益は、年が明けた時点で材料が消えます
- 順番は金額ではなく、取り返せない順
- 在庫額が出ないと、65万円控除(節税額97,500円=93個ぶん)がそこで止まります
- 4つ全部が要る人はほとんどいません。多くは1つか2つ
手元に在庫がある方は、在庫管理くんから。月1,980円、必要個数は月2個です。
14日間の無料期間があります。その14日で、押入れの段ボールを全部入力してください。入れ終わった日に、今の在庫額が出ます。
そこから12月31日まで記録を続ければ、来年の3月にあの欄で止まりません。
食品・サプリを扱う課税事業者の方は、先にAmaTaxCalc(初月11,800円・2ヶ月目以降1,000円)です。ただしその前にセラーセントラルで商品タックスコードの設定を確認してください。 設定していない売上は、ツールを入れても8%になりません。
電脳で月114件以上仕入れている方はインボイスメモリー(月2,980円・30日間無料)。これだけは3月でも間に合いますが、まとめると1,152件で9.6時間になります。
この記事の計算方法:年額 = 月額 × 12ヶ月。必要な仕入れ個数 = 月額 ÷ 手残り1,050円。時給3,150円は、1商品あたりの手残り1,050円 ÷ 1個あたりの作業時間20分という当サイト共通の基準にもとづく試算値で、領収書1件30秒・年1,152件(月96個×12ヶ月)は当サイトが置いた仮定です。青色申告特別控除の金額と要件は国税庁 タックスアンサー No.2072にもとづき、節税額は「控除額 ×(所得税率5%+住民税10%)」で試算しました。所得税は超過累進課税であり、実際の税額は各種控除や他の所得によって変わります。軽減税率のずれ(税抜売上の2%)は10%と8%の差から算出した税率差の算術です。各ツールの機能・料金・無料期間・仕様は各セールスページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。この記事は税務上の助言ではありません。ご自身の申告に関する判断は、税理士または税務署にご確認ください。
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