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ドン・キホーテで仕入れている方に向けて書いています。
安く買うこと自体は否定しません。安さが手残りに効かない理由の話です。
「驚安」の札を見て、20個カゴに入れた
金曜の夜のドンキでした。
雑貨コーナーの端に、黄色い札が並んでいます。100円。 もとは何百円かする商品が、まとめて積まれていました。
Amazonで見た記憶がありました。500円前後だったはずです。
差額400円。
そのまま20個、カゴに入れました。レジで2,000円。「これ全部が利益になる」と思いながら車に戻りました。
家でFBA料金シミュレーターに入れて、手が止まりました。
1個12円。
20個で240円です。2時間かけて店を回って、240円。
もう一度計算し直しました。何度やっても同じでした。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売値 | 500円 |
| 販売手数料(5% → 最低30円) | −30円 |
| FBA配送代行(標準・30cm以下) | −358円 |
| 手元に入る | 112円 |
| 仕入100円を引くと | 手残り12円 |

差額400円のうち、388円が消えていました。
それでも次の週、また同じ棚の前に立ちました。
安い札を見ると、体が反応します。 「400円の差額」が頭に浮かんで、カゴに手が伸びる。
前回240円だったことは覚えています。覚えているのに、手が動く。
そのとき初めて、自分が見ているのが「安さ」であって「手残り」ではないことに気づきました。
安さは、手残りにほとんど効きません
数字で確かめます。仕入値を下げていったときに、手残りがどう動くか。
| 仕入値 | 売値500円のときの手残り |
|---|---|
| 200円 | −88円 |
| 150円 | −38円 |
| 100円 | 12円 |
| 50円 | 62円 |
| 0円(もらっても) | 112円 |

あなたがどれだけ値切っても、112円が上限です。
引かれる388円は、仕入値と無関係だからです。販売手数料の最低30円と、FBA配送代行の358円。 どちらも定額です。
だから「安く買う」努力は、この帯ではほとんど報われません。あなたが店内を2時間歩き回っても、上限が112円と決まっている勝負をしていることになります。
効くのは、定額が何回発生するかです
では、あなたの手残りを動かすのは何か。同じ6個を、2通りで売ってみます。
条件をそろえます。仕入れは6個で600円。売上はどちらも3,000円。
| 単品を6個 | 1箱にまとめて1個 | |
|---|---|---|
| 売値 | 500円 × 6 | 3,000円 × 1 |
| 仕入 | −600円 | −600円 |
| 販売手数料 | −30円 × 6 = −180円 | −312円(10.4%) |
| FBA配送代行 | −358円 × 6 = −2,148円 | −425円 × 1 |
| 手残り | 72円 | 1,663円 |

23倍です。
売上も仕入れも、まったく同じです。変えたのは、FBAの定額が6回発生するか1回で済むかだけ。
内訳は2つだけです。FBA配送代行が2,148円から425円になって、1,723円戻る。 販売手数料は逆に180円から312円へ、132円増えます(最低30円×6より、10.4%のほうが高くなるため)。
差し引き+1,591円。増えるほうが13倍大きいので、まとめたほうが勝ちます。

ドン・キホーテは、この戦い方に向いた店です。 同じ商品が大量に積んであるからです。
ただし、セットにできない商品もあります
反論しておきます。何でもセットにできるわけではありません。
| セットにしやすい | セットにしにくい |
|---|---|
| お菓子・飲料(同一商品の複数個) | 型番商品(家電・ゲーム) |
| 日用品の消耗品 | 化粧品(使用期限・ロット違い) |
| 文具・雑貨 | サイズ違いを含む衣類 |

そしてセット品はAmazonに既存のカタログがないことが多く、新規に商品ページを作る必要があります。 その手間は別に発生します。
さらに、セット商品は相場が読みにくいという問題もあります。単品なら過去の価格推移が見えますが、自分で作ったセットには履歴がありません。
それでも、低単価をばらして売る選択肢よりはましです。 上限112円の勝負を6回やるより、1回で1,663円のほうが速く終わります。
化粧品は、1,500円で止めてください
ドンキのもう1つの主戦場が、化粧品・美容雑貨です。
こちらは低単価と違って、単品でも十分に残ります。
| 仕入値 | 売値 | 手数料+FBA | 手残り |
|---|---|---|---|
| 800円 | 1,800円 | 602円(33.5%) | 398円 |
| 1,200円 | 2,500円 | 675円(27.0%) | 625円 |
| 2,000円 | 4,000円 | 831円(20.8%) | 1,169円 |

ただし1つ、落とし穴があります。
ビューティのカテゴリは、販売手数料の段差が2つあります。750円と1,500円です。
そして境目のすぐ上に、値上げしたのに手残りが減る帯ができます。
| 売値 | 販売手数料 | 手残り(仕入0円のとき) |
|---|---|---|
| 1,500円 | 126円(8.4%) | 1,374円 |
| 1,501円 | 156円(10.4%) | 1,345円 |
| 1,533円 | 159円 | 1,374円(1,500円と同じ) |

1,501円で売ると、1,500円より29円少なくなります。
そして1,533円まで上げて、やっと1,500円に追いつきます。
ドンキの化粧品は、ちょうどこの価格帯に集まります。1,500円で止めるか、1,534円以上にするか。その間に値付けする理由はありません。
同じ構造が750円の境目にもあります。
| カテゴリ | 損になる帯 |
|---|---|
| ビューティ・食品&飲料 | 751〜777円 と 1,501〜1,533円 |
| ホーム&キッチン・文房具 | 751〜842円 |

詳しい一覧は値上げすると手残りが減る価格帯にまとめました。
3ヶ月後の同じ棚を、想像してみてください
金曜の夜、同じ雑貨コーナーです。
黄色い札に100円と書いてあります。Amazonで500円。差額400円。
カゴに手を伸ばす前に、バーコードを読みます。
画面に「12円」と出ます。そこで手が止まります。
そして棚を見渡して、同じ商品が何個積んであるかを数えます。18個ありました。
6個セットを3本作れる。
そのまま18個買って、帰ってから3箱に組みます。手残りは1箱1,663円で、3箱で4,989円です。
同じ棚、同じ商品、同じ2時間。240円だったものが、4,989円になります。
あなたが変えたのは、値札の見方だけです。
いま、その逆をやっています。
安い札を見て、20個カゴに入れて、家で12円だと気づく。 それを4ヶ月続けました。
そして次の金曜も、たぶん同じ棚の前に立ちます。覚えているのに、手が動く。
止めるのに必要なのは意志ではありません。店頭で数字が見えていることです。
ドンキで見る順番
まとめると、こうなります。
- 手取りを見る(バーコードを読む)
- 同じ商品が何個積んであるかを数える(セットにできるか)
- 最後に値札を見る

あなたが値札を最後に回した瞬間から、この店は使える店になります。
安さは、あなたの1番目と2番目の答えを変えません。上限112円の商品は、いくら安く買っても112円のままだからです。
よくある質問
Q. 安く買えば利益が出ませんか。
低単価帯では出ません。仕入れを0円にしても、500円の商品の手残りは112円が上限です。引かれる388円が定額だからです。
Q. なぜセットにすると増えるのですか。
FBA配送代行の定額が1回で済むからです。6個ばらすと358円×6=2,148円ですが、1箱なら425円。1,723円戻ります。
Q. どれくらい変わりますか。
同じ6個・同じ売上3,000円・同じ仕入600円で、72円と1,663円。23倍です。
Q. 何でもセットにできますか。
できません。型番商品・化粧品・サイズ違いのある衣類は向きません。またセット品は新規に商品ページを作る必要があり、相場の履歴も残っていません。
Q. 化粧品は単品でだめですか。
単品で残ります。仕入800円→売1,800円で手残り398円です。低単価の雑貨とは別の商材だと考えてください。
Q. 1,500円の境目とは何ですか。
ビューティと食品は、1,500円を超えると販売手数料が8.4%から10.4%に変わります。1,501〜1,533円は1,500円より手残りが少なくなります。
Q. 750円の境目もありますか。
あります。ビューティ・食品は751〜777円、ホーム&キッチンは751〜842円が損になる帯です。
Q. 店頭で手取りは分かりますか。
分かります。バーコードを読むと手数料を引いた想定手取りが出る無料アプリがあります。
値札より先に、箱の数を数えてください
順番を変えるだけです。手取り → 個数 → 値札。
- 低単価は仕入れを0円にしても手残り112円が上限。安さは効きません
- 効くのは定額が何回発生するか。同じ6個・同じ売上で72円と1,663円(23倍)
- 差の正体はFBA配送代行が2,148円から425円になること
- ただし型番商品・化粧品・衣類はセットに向きません
- 化粧品は単品で残ります(仕入800→売1,800で398円)
- ビューティ・食品は1,501〜1,533円と751〜777円が損の帯
マカド!の無料アプリ「マカド!リサーチ」は、契約不要・登録不要です。バーコードを読むと、販売手数料を引いた想定手取りがその場で出ます。
次の金曜、あなたが黄色い札に手を伸ばす前に読んでください。12円と出たら、棚に何個あるかを数える番です。
月28個を超えている方は、本体も判定の範囲に入ります。ドンキの商材は同じ商品を扱う出品者が多く、価格改定の追従がそのまま回転になります。判定は仕入れ数別の記事へ。
この記事の計算方法:手残り = 売値 − 仕入値 − 販売手数料 − FBA配送代行手数料。販売手数料率(食品&飲料・ビューティは750円以下5%/1,500円以下8.4%/超10.4%、最低販売手数料30円)とFBA配送代行手数料はAmazon公式の料金ページの記載(2026年9月時点)にもとづきます。販売手数料は税抜表示、FBA配送代行手数料は税込です。単品のFBA区分を「標準・30cm以下・1,000円以下358円」、6個セットを「標準・50cm以下・1,000円超425円」、化粧品を「標準・30cm以下・1,000円超415円」として計算しました。これは当サイトが置いた仮定であり、実際の区分は梱包済みの3辺合計と重量で決まります。損になる価格帯は「境目の価格での手残りと同額になる価格まで」として算出しました。FBA在庫保管手数料と返品費用、セット商品の商品ページ作成にかかる手間は含めていません。料金は変更されることがあります。最新の情報は公式ページとFBA料金シミュレーターでご確認ください。
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